グッとくる言葉
12月の中頃、京都から小袖屋のO氏が来社。
小袖屋さんは独自の生地に絞りや刺繍、ローケツ染などを施した
小紋や付下げ、染帯やコート地などを製作されており、
時々名匠庵に立ち寄っては染め上がった生地を見せてくれます。
以前仕入れた小袖屋さんの名古屋帯。刺繍の色遣いが素敵です。
今秋に仕入れた、黒地に白抜きの絞り染めの、
「スキーをする小さな雪だるま柄」の附下げは
帽子やマフラーなどが丁寧な刺繍になっていてなんとも可愛らしく
きもの好きにはたまらない一品でした。
(このきものは「オススメのきもの」でご紹介する間もなくすぐに売れてしまったのでした。)
今回は年末の挨拶にと言いつつ大きな風呂敷包みから
染帯と附下げを畳の上にひろげます。
今年の仕入れはもうおしまいという社長に
「年内でなくて、年明け一番、縁起良く初荷で送りますし」
とO氏。
うまいこと言うなぁと内心感心していると今度はこちらを向いて
「このね、この薄いピンクの色。ある取引先に桜の花びらを透かして見たような色
と言われてできた色なんです。」
こういう表現、いいですね。
とびきり寒い日だったのですがパッと気持ちが明るくなりました。
絞りと刺繍が施された淡い桜色の附下げ着尺。
初荷が待ち遠しくなりました。