「袋帯」を「テーブルランナー」に
お客さまから袋帯をお預かりしました。
「テーブルランナー」に仕立て替えてほしい
とのご依頼です。
「テーブルランナー」は
「テーブルセンター」とも呼ばれています。
主に装飾のためにテーブルの中央に敷く
細長い布のことですね。
早速職人さんに依頼。
入っていた帯芯を抜き、
用尺分をカットして両端を丁寧に手縫いし、
仕上げに房飾りをつけて納めてもらいました。
房飾り(タッセル)の色はおまかせ頂いたので
帯地の表裏の色やお部屋の雰囲気に合わせてご用意しました。
許可をいただき、
お納め前に
出来上がったテーブルランナーを
弊社のテーブルに敷いて
撮影させていただきました。
ランナーの両端を20〜35㎝垂らすのが
ベストバランスです。
お客さまにとても喜んでいただき、
残りの帯地でバックを作るお約束をしました。
今度はバック作りの職人さんの
腕の見せ所です。
「初夏の単衣時期のきものルール」
初夏の衣替えをもう少し詳しく。
4月も半ばを過ぎますと、
日差しも明るくなり、
気温も上昇しますので、
今日は単衣を着ようかな、という日もあります。
「単衣を着る時期」をおさらいしましょう
4月半ば過ぎから5月31日までは、
袷と単衣を気温によって使い分け、
6月1日から6月30日までは
単衣のきものをお召しください。
7月1日から8月31日までは
絽や紗、夏紬など「うすもの」の出番です。
9月1日から30日までは、
再び単衣のきものの季節です。
衣替えのルールはざっとこのようになります。
7月8月の夏のきものは、
長襦袢から帯、小物まで、すべて
夏物になりますのでわかりやすいのですが、
(帯締めに一部例外があります。そのお話は
またの機会に。)
単衣きものの場合は夏に近づくにつれ
6月中旬までは帯を袷向の帯
6月中旬過ぎから7月までは夏帯を合わせます。
基本は
帯が袷の帯なら
帯締め、帯揚げは袷用。半衿は塩瀬。
夏の帯なら
帯締め、帯揚げは夏用。半衿は絽塩瀬。
ただし、
半衿を楊柳半衿にしておけば
冬帯、夏帯に関係なく
単衣のきものを着ている期間中
半衿の付け替えの必要はありません。
たれものの単衣きものには
正絹かポリエステルの楊柳半衿
紬の単衣きものには
麻の楊柳半衿をお使いください。
少々ややこしいので
「帯と小物と半衿のルール」を
写真で説明しますね。
4月中旬〜6月中旬
単衣の長襦袢に単衣きものを着て
帯は袷向きのもの。
帯締め、帯揚げも袷用。
半衿は楊柳半衿。
※または塩瀬半衿。
6月中旬〜6月30日
夏の長襦袢に単衣のきもの。
帯は夏用。
帯締め、帯揚げは夏用。
半衿は楊柳半衿。
※または絽塩瀬半衿。
単衣の時期はきものをどんな組み合わせで
着るか、迷うこともありますが
今日お伝えした「単衣時期のルール」を
ひとつの目安として
ご参考になさってください。
初夏の衣替え
最近衣替えや、単衣時期の着こなしについての
お問い合わせが多くなってきました。
6月1日の「衣替え」を境に単衣のきものを着る、
ということがルールとして存在しています。
では、5月31日が猛暑日だったら?
以前でしたら、
その方のお出掛け先などを伺った上で
ルール通りが無難です。とか、
ご同行の方々と相談してひとり浮かないように…、
などとお伝えしていました。
6月1日が衣生活の季節の境目であることは
今も変わりはないのですが、
それよりも衣替え前の
4月の中頃〜5月末のこの時期は
朝晩ひんやりする日があったり
とんでもなく暑い日があったりしますよね。
最近は、この「迷う時期」は
体感に合わせて袷を着たり単衣を着ても
良いとお伝えしています。
では。
もしも6月1日を過ぎて肌寒い日があったら?
この時には、袷のきものはもう着ません。
肌寒い時、冷房が強い時は
薄地のコートやストール、肌着などで調整をしてください。
「季節の先取り」として
「早めに単衣」は良いのですが
衣替えの日を過ぎたら
もう袷のきものは
10月の「秋の衣替え」まで
お手入れをして、どうぞ大事に保管してください。
夏の半衿の話
そろそ夏のきもの支度を
はじめたい時期ですね。
夏のコーディネートを考える上で
欠かせない「半衿」をいくつか
ご紹介します。
写真右 小千谷麻 楊柳半衿5,000円(税別)
写真中央 ポリエステル製 楊柳半衿700円(税別)
写真左 丹後与謝野 麻絽半衿4,600円(税別)
楊柳(ようりゅう)半衿は、
その名の通り
生地の「たてしぼ」がまるで柳の枝のようです。
横糸に強いヨリがかけられていますので
正絹の楊柳半衿をご自宅で洗うと縮んでしまう上に
保管中に黄変しやすいので
肌触りの良さは抜群ですが、
取り扱いが難しいのが難点でした。
最近では
あえてポリエステル製の楊柳半衿を
お客様にご紹介させていただいております。
こちらはご自宅でお洗濯しても縮みませんし
黄変の心配もありません。
「正絹」、「ポリエステル」とも 「楊柳半衿」は
6月1日〜30日 たれものの単衣きものを
着る時にお使いください。
「小千谷 麻の楊柳半衿」は
6月1日〜30日 紬の単衣きものにお合わせください。
※麻の楊柳半衿は洗濯時の縮みは心配ありません。
「与謝野 麻の絽半衿」は
6月、紬の単衣きものになつおびを合わせる時から〜
7月、8月の夏紬、
9月の中頃まで紬単衣に夏帯を合わせて着るときに。
…ややこしいのでまとめます。
「紬のきものに夏帯を合わせたら麻の絽の半衿」。
「紬のきものに夏帯を合わせて着るとき」に最適です。
単衣の季節からから盛夏まで
季節ときものの素材で半衿の種類が変わります。
5月18日(土)19日(日)に開催の
夏のきもの、夏の和装小物をご紹介し、
コーディネートのご相談もお受けします。
ご来場のご予約は不要です。
直接 名匠庵 までお越しくださいませ。
クリスマスツリーの染帯
久しぶりに
京都の小袖屋さんから
季節感あふれる
染なごや帯が入荷しました。
小袖屋さんの品は
ひとつづつお題がついておりまして
この帯は「聖夜」。
ベースは紬の帯地。
白とブルーを絞りで染め分け。
(タレ先が白、手先はブルー)
刺繍と銀、ブルーの色箔で
雪の結晶を表現し、
クリスマスツリーの柄になっています。
こちらが胴の部分。
折るとこんなイメージです。
ご自分で手結びされる場合、
「たれ」を左手に、
「手先」側を右手に持つ
いわゆる「関西腹」で結ぶと
こちらの雪の結晶柄が出ます。
逆に「関東腹」ですと、
屋根と煙突のシルエット柄が出ます。
こちらですと帯留めや帯締めで遊べそうですね。
角度によって雪の結晶がキラリと輝く
とても魅力的な名古屋帯です。
11月のはじめ、
イルミネーションの点灯が始まった頃から
楽しんでいただけます。
振袖小物
先日、名古屋の和装小物メーカー
「(株)大善」にお邪魔して、
振袖小物を選ばせていただきました。
これらの小物類は
名匠展などの催しの際などに
ご覧いただけます。
こちらはほんの一部。
華やかな飾りのついた「丸ぐけの帯締め」は
色が良く、飾りが大げさに盛りすぎていない、
などの点を考慮して選んでいます。
こちらは絞りの帯揚げ。
キラキラのラメが施してあるものもお借りしています。
成人式会場やホテルの宴会場、レストランなどの
ライトの下でとても綺麗です。
もちろん、平組の正統派帯締めはじめ
刺繍半衿、髪飾り、草履バックセットなども
ご覧いただけます。
その他ショール、足袋、腰紐、肌着など
着付けに必要な小物もご相談いただけます。
小物に関しましては一部お取り寄せの商品もあり、
お渡しまで少々お時間を頂戴する場合もございます。
ご来社日ご予約の上お越しくださいませ
(月に一度の名匠展開催日はご予約不要です。)
紬のきものを作務衣に
お客さまから
「お母さまの紬のきもの」を「ご主人様の作務衣」に
作り替えたいとのご依頼をいただきました。
紺色の無地の紬きものです。
仕立やさんと寸法の打ち合わせをしまして
生地が足りないことがわかり、
もう一枚黒地の紬きものをお預かりして
それぞれ「解き・洗い張り」をいたしました。
そして出来上がったのがこちらです。
「男性用紬作務衣」お客様に許可をいただき、掲載させていただきます。
催事の時には必ず紬の作務衣を着ている営業部長が
ご主人様のイメージでデザインをさせていただき、
紺色の紬をメインの色に、
黒色の紬を差し色にしてデザインしました。
動きやすさを重視しつつ、
スマートで、もたつかないシルエットになるように
仕立てをさせていただき、
とても喜んでくださったそうで安心いたしました。
ところでこちらの作務衣は上衣、ズボンとも
単衣仕立てです。
着やすいよう上衣に「肩すべり」をつけました。
ズボンの内側には腰から膝下まで当て布をしています。
痛みやすいズボン前面にも内側に当て布をつけました。
名匠庵では
お客様のきものを解いて、
または反物から、
作務衣やポンチョなどをお作りいたします。
手元、足元をゴムや共生地で作った紐で
調整できるようにしたり、
ズボンをもっと幅広く、
上衣の両脇にスリットを入れたり、
ポケットの数や形などご希望を伺って
お仕立ていたします。
(もちろん既製のM、Lサイズで仕立て、という
シンプルなご注文も可能です。)
男性用、女性用、お子様用、海外の方用など、
作務衣についてご相談いただけます。
メールにてご来社日ご予約の上どうぞお越しください。
福助 足袋の試し履きをしていただけます。
足袋の有名メーカー「福助」に依頼して
試し履き用の足袋を揃えました。
名匠庵本社ショールームにてご試着いただけます。
試し履き足袋のサイズについて (4 枚こはぜ ・右足 用)
ふっくら型 21.5㎝〜28.0㎝
ゆたか型 21.5㎝〜28.0㎝
なみ型 21.5㎝〜28.0㎝
ほそ型 21.5㎝〜26.0㎝
ささ型 21.5㎝〜26.0㎝
素材は綿キャラコ
サイズは各足型 5㎜刻みで揃っております。
※福助 足袋について 「きもの作法とマナー」のページ もご参照ください 。
足袋は下着同様、一度でも身につけたお品は返品ができません。
この機会にご試着いただき 、ぴったりと足に添う
履きやすい足袋のサイズを見つけていただきたいと思っております。
足袋の職人さんは常駐しておりませんが
私どもの経験に基づいたアドバイスをさせていただきます。
ちょうど良い足袋が見つかるまで、じっくりとご試着ださい。
ご購入の際にはお取り寄せとなるサイズがあり、
少々お時間を頂戴する場合もございます。
※サイズは福助独自の採寸に基づいたものとなっております。
メーカーによって多少の差がございます。
福助足袋試し履きご希望の際には
メールにてご来社日時のご予約をお願いたします。
毎月の「名匠展 」開催期間中はご予約不要です。
どうぞ直接お越しくださいませ。
大阪の老舗 菊之好 (きくのこのみ)の草履 〜鼻緒の楽しみ〜
たびたびご紹介しております
大阪のメーカー『菊之好』のバルーン草履。
今回は鼻緒の楽しみについてご紹介します。
帆布生地で作った一枚芯の草履をベースに、
鼻緒ひとつでいかに雰囲気が変わるか、ご覧ください。
こちらは菊之好バルーン一枚芯草履に
東京の老舗メーカー『五嶋紐』の組紐鼻緒をのせました。
白地の鼻緒、前つぼが赤という丹頂鼻緒は
柄つけが軽めの付下きもの、
格が軽めの帯合わせの時の色無地、
小紋きもの、紬きものに。
※草履台の高さが4分2半、5分3段でしたら、
訪問着にもお使いいただけます。
柄入りの組紐鼻緒は趣味の着物に。
銀糸使いの五嶋紐の組紐鼻緒は
光沢がありますので
柄が軽めの付下きもの、
格が軽めの帯合わせの時の色無地、
小紋きものに。
※草履台の高さが4分2半、5分3段でしたら、
色留袖、訪問着にもお使いいただけます。
菊之好バルーン草履に、共生地の白色鼻緒。
シンプルで合わせやすい組み合わせです。
付下、色無地、小紋、
そして紬きものにもお使いいただけます。
※草履台の高さが4分2半、5分3段でしたら、
色留袖、訪問着にもお使いいただけます。
こちらは共色鼻緒の前つぼを
赤色に変えて見ました。
赤も艶あり、艶なし、お選びいただけます。
これはお好みが分かれますね
前つぼシルバー。
カッコいいです。
個人的に
おススメの組み合わせ。
ほんのりうすいピンク色の帆布生地に
帆布生地の白鼻緒、
前つぼはゴールド。
やわらかな印象です。
菊之好製 帆布生地一枚芯バルーン草履台・共生地鼻緒
参考上代 65,000円税別
(五嶋紐鼻緒、台の高さによりお値段変動いたします。)
草履など和装小物もお手にとってご覧いただけます。
ご来社ご予約、お問い合わせは、メールにてお願い致します。
草履修理もご相談ください。
「菊之好製 バルーン草履 四分三段」を
特選きもの名匠庵の公式オンラインショップで
販売しております。
宮古上布の手入れ
8月の末に訪れた宮古島。
宮古島で宮古上布を着てみたい、
という夢をひとつ叶えてきました。
宮古島の強い日差しも
高温もなんのその。
軽くてサラシャリとした肌触りの宮古上布のきものは
一日中快適に過ごすことができました。
さて、
一日着てシワになった宮古上布。
シワも味のうち、と言いつつ結構なシワです。
もう9月には季節的に着られませんので
タンスにしまいたいと思います。
用意したのは霧吹きと
新聞6日分と
きもの用ハンガー
「麻のきもののシワ取りに使う霧吹き」は、
プロ用の粒子の細かいものでなくても
大丈夫。
市販のガラスクリーナーのボトルを
しっかりなんども洗ったものに水を入れて使います。
ごく稀に 大きめの水滴が出ますが気にせずたっぷり使います。
作業は風通しの良い日陰で。
きもの用ハンガーに掛け、
下に新聞を厚めに広げて準備完了。
たっぷり全体に、霧吹きをかけます。
きものに霧吹きをかけるのはドキドキしますが
思いきってしてみて下さい。
(ただし肩山、袖山はなるべく折り目を残したいので
避けてください。)
水をたっぷり含んで光っていますね。
そっと手で生地目を整えます。
水に濡れた状態でこすると毛羽立ちの原因になりますので
注意して下さいね。
水の重みで自然にシワが伸びていきます。
40分。
だんだん乾いてきました。
シワも気にならなくなっています。
(夏場なら30分で乾きます。)
全体が乾いたら
ハンガーから外し、折り目正しくたたみます。
新聞紙で挟み、
しっかり押しをします。
上になる呉服箱の中に重いものを均等にいれています。
きものを2つ折りにした輪の部分に
きつい折り目がつくのを避けるため
少しずらして置きます。
その後、念のためもう一度ハンガーに掛け
風通しの良いところで軽く干し
きちんと畳んでたとう紙に入れ、
タンスにおさめました。
また、来年、です。