きものを着こなすために大切な4つのこと <① TPOに合わせて着物と帯を選ぶ:冠婚葬祭編>
きものを着こなす。
日本の伝統衣裳ではございますが、なかなか難しいことですよね。
着こなしにはいくつかポイントがございます。参考までに4つご紹介いたします。
① TPO (時 場所 場合)にあわせて着物と帯の「取り合わせ」を選ぶこと
(取り合わせとは、色合わせ 柄合わせ 素材合わせ 小物合わせのことです)
② 年齢や体型、場所柄、きものの格にふさわしい「着付け」
③ 髪型
④ 立居振舞 所作
着こなし上手だな、きもの姿がステキだなと思われる方々はこういったポイントを心得ていらっしゃいます。
まず、①の『TPOにあわせて着物と帯の「取り合わせ」を選ぶこと』についてご紹介いたします。
きもののTPOを考える時、「晴れ」と「ケ」という言葉が出て来ます。
「晴れ」の日とはー
普段とは違う特別な晴れの日
その日に着る衣裳を晴れ着と言います。
「冠婚葬祭など人生の節目に臨む衣裳」です。 (地域によって違いがあります)
一方、晴れの日に対して普段の日常を「ケ」と言います。
きもので言うと「日々の楽しみのきもの」です。
日本各地に残る織物産地の風土、織物の風合い、特徴、ストーリーを知り、自分好みの織物を見つける楽しみ。
季節、おでかけ先、気分で帯や小物を合わせる楽しみ。
色合わせで楽しむ。
手作りで楽しむ。
趣味のきものは、アイテムで言いますと
ウール
ポリエステル
木綿
浴衣
紬
小紋きもの
なごや帯
などなどがございますが、ここではまず、一番お問い合わせが多い「晴れの日のきもの」=「冠婚葬祭」の着こなしから取り上げていきたいと思います。
冠婚葬祭それぞれの衣装をご紹介します。
「冠」
<男児・女児 誕生祝い着>
土地の守り神である産土神に赤ちゃんが産まれたことを報告し健康に育つようお祈りします。
男の子は生後31日、女の子は生後32日目に参拝すると言われておりますが、赤ちゃんとお母さまの体調で日程を決めます。
祝い着(掛け着)の下は白い絹の内着を着せ(ベビードレスでもOK)、白色の大黒帽子とスタイをつけ、父方の祖母さまが抱き参拝します。
<男児・女児3歳 髪置き>
男の子も女の子も3歳で髪を伸ばし始めます。
男の子が3歳で参拝する場合は祝い着を肩揚げ腰揚げし、袖丸み仕立てをして袴をつけます。
女の子は 祝い着を肩揚げ腰揚げし、三尺帯を結んだ上から被布を着ます。
<男児5歳 袴着>
男の子は5歳になったら袴をつけ始めます。きものに羽織、袴姿で参拝です。
<女児7歳 帯解き>
女の子は7歳で帯をむすぶようになります。
<十三参り>
旧暦3月13日(今の4月13日)に数えで13歳の男女(特に女の子)が虚空蔵菩薩にお参りし、知恵と福徳を授かります。
本裁ち(大人用)の振袖など晴れ着を着ます。
<成人式振袖>
満20歳を迎えると、おとな(成人)として認められます。
平安時代には成人した女性が初めて衣裳をつける「著裳」という通過儀礼が行われたそうです。
振袖は未婚女性の第一礼装ですので成人式だけでなく 礼装として折々にお召し下さい。
[photo:松井青々作 振袖]
「婚」
<黒留袖>
既婚女性の第一礼装です。五つ紋比翼仕立ての装いは最高の格式といえます。
[photo:今井 東作 黒留袖]
<色留袖>
親類の婚礼には現在では色留袖をお召になる方が増えました。
家紋の数、比翼の有無など仕立て方で礼装〜正装まで幅広く活用できます。
[photo:染の百趣 矢野 色留袖]
<振袖 >
未婚の女性がご家族、ご友人の結婚式などに出席する場合の第一礼装です。お招きを受けたら是非お召しください。
<男性紋付羽織袴>
<花嫁衣裳>
「葬」
<喪服など弔衣>
「祭」
<法事衣裳>
色無地など、法事の回忌などで帯の色、小物の色などの組み合わせが変わりま す。
名匠庵では、TPOに合わせた取り合わせ(コーディネート)のご提案もさせていただいております。
もしお悩みがございましたらお気軽にご相談くださいね。