丸栄百貨店
6月30日 午後7時、
丸栄百貨店は75年間続いた店舗営業終了の時を迎えました。
6時50分から始まった蛍の光のメロディーは
最後のお客様をお見送りした7時20分まで流され続けました。
7時18分、
地元のお客様への感謝をこめた最後の館内放送は
ありがとうございました
ありがとうございました
と、繰り返し、静かに終了しました。
そのメッセージを聞きながら
わたくしども8階の呉服、宝石、美術等スタッフは
粛々と撤収作業を、
そして1階東側玄関では
予想をはるかに超えるお客様に見送られ、
最後のシャッターが降りたのだそうです。
丸栄特選きものサロンをご愛顧くださいました
お客様、誠にありがとうございました。
今後の、呉服に関するご用命は
引き続き名古屋市名東区名匠庵本社ショールーム
「特選きもの 名匠庵」にて承ります。
どうぞよろしくお願いいたします。
セール期間中お買い上げ頂いた帯、きもの等の
お仕立てのご用命もこちらで承ります。
※納品、商談などで不在の場合がございます。
ご来社はご予約制とさせていただいております。
お手数をおかけしますがお電話またはメールにて
ご来社日時をお知らせください。
「文月 名匠展」はご来社のご予約は不要です。
今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。
夢の途中
平成30年6月30日(土)の丸栄百貨店閉店まで
今日を含めあと3日。
日中は毎日丸栄館内にいるのでわかりませんでしたが
この地方の情報番組や新聞などで
連日丸栄の話題が取り上げられているようですね。
8階の呉服売場にも
お得意様や懐かしいお客様、
取引先や丸栄OB、OGの大先輩が
立ち寄ってくださり
ありがとう、お元気で、
今後ともよろしくとの言葉が
あちこちで飛び交っています。
そして一番多くいらっしゃるのが
カメラ片手に丸栄館内を撮影されるお客様です。
戦後まもなく営業を再開した丸栄は
関西建築界の巨匠村野藤吾氏に設計を託し
とびきりモダンな百貨店として名を馳せました。
幾度か改装を重ねた現在、
当時の面影は薄らぎつつありますが
そのデザインはいまもところどころ残っています。
西側壁面 有名なモザイク壁
東郷青児画伯デザインのエレベーター扉
皆さんが必ず撮影していらっしゃる
東側階段8階からの手すり。真似して撮って見ました。
ところ変わって
こちらは地下鉄栄駅と丸栄を結ぶ
サカエ地下街、名物「クリスタル広場」の現在の様子。
クリスタルも噴水もいま取り払われてまっさらな状態で
来年のサカエ地下街50周年に向け改装工事の真っ最中です。
今は共に歴史を刻んだ丸栄との歩みを
パネル展で振り返っています。
栄周辺がこの先どう変わっていくのか、
まったく想像できません。
けれどきっとどなたかが描いているであろう
未来の栄地区の設計図や建築パースに向かって
各方面、多くの方々がもう動いているのだと思います。
あちこちで繰り返される工事や
閉店、開店の紅白幕、
完成してしまえばきっと忘れてしまうであろう
この夢の途中の風景を
このページに残しておきますね。
衣替え 〜絽ちりめん、いつ着る?〜
6月も、もう15日過ぎました。
1年が、半分過ぎようとしています。
6月1日が衣替えの日、
または衣替えをする目安の日とされていますが
最近では5月にも猛暑の日があって
制服、洋装、和装とも早めの夏支度となっています。
和装、きものの場合、
5月中旬ごろから6月30日までは単衣(ひとえ)を着ます。
7月1日から8月31日までは絽、紗、上布などの薄物(うすもの)、
9月1日から9月30日まで単衣(ひとえ)、
10月1日から、年が改まって5月初旬までを袷(あわせ)で過ごします。
さて、表題の「絽ちりめん」。
「絽」のきもの地にも数種類ありまして、
駒絽、変わり絽、たて絽、紋絽、平絽、絽ちりめん、、、。
ひとつずつ見ていきましょう
絽のきものの代表的な生地「駒絽」。
たて糸に平糸、よこ糸は「撚り(より)」をかけた駒糸を使い
よこ糸3〜7本ごとにたて糸をよじって隙間を作って織る、
風通しの良い生地です。
手触りもしゃっきりしています。
駒絽は7月と8月向け。
そして「変わり絽」。
上記の駒絽はよこ糸の本数がお行儀よくそろっています。
変わり絽はよこの駒糸の本数をわざと変化させた
洒落味あふれる生地です。
こちらも7月と8月。
「たて絽」は
たて糸に隙間を作り風通しよくしています。
写真のようにたて糸の本数を変化させたものと、
本数が揃っているものがあります。
こちらも7月、8月のきもの。
「紋絽」は
絽織と、紋織(模様織)を組み合わせたもの。
7月と8月に。
「平絽」は
たて糸、よこ糸、共に撚りをかけていない「平糸」を
使って絽織にしたもの。
主に夏の染帯の白生地として織られていますが
最近はあまり見かけなくなりました。
ちょっとテラっとした味の生地。
そして「絽ちりめん」。
よこ糸に強撚糸を使って織る、
“しぼ”が特徴の絽織です。
古代ちりめんの「絽」版ですね。
シャリっとしていながらちりめんのとろみも
備えた夏生地です。
(最近はしぼの控えめな「変わり絽ちりめん」もあります。)
うすベージュの絽ちりめん無地着尺に絽綴八寸帯をコーディネート
絽ちりめんは、
6月中旬頃の梅雨時期、
気温が下がる「梅雨寒」の日に着るきもので、
6月30日まで。
「絽」ではあるけれど7月8月は避けて、、、、
と言われています。
けれど、いや、もう、この説明、
「、、、とも言われています。」に変更しても
いいのでは、と思います。
気候が昔とは違ってきている今、
目の詰まった絽のきものを
6月の末頃から着る、
絽ちりめんのきものを盛夏に楽しむ、
どちらも許容範囲になっています。
体に無理なく
同行のお仲間との空気を読みつつ、
きものの難関、
単衣時期を乗り越えてください!
丸栄の日々
日々、
丸栄百貨店8階呉服売場店頭に立っています。
日頃は名匠庵本社ショールームにいる社長、
日々お客様やお取引先を飛び回っている営業部長、
丸栄担当の女性社員ともども
6月30日(土)PM7:00、
最期のシャッターが下りるまで
出来る限り店頭に立つようにしています。
丸栄店頭でのお仕立ての承りが終了していますので
生地を一旦お持ち帰りいただき、
改めて弊社名匠庵本社にてお仕立てを承ることについての
ご案内を皆でさせていただいております。
お仕立てやクリーニングなど、
後々まで安心しておまかせいただけるよう
しっかりとご案内させていただきます。
そして何より
店頭にお越し下さったお客様に
良いものが手に入ったと満足していただけるよう、
商品の説明をきちんとさせていただくよう心がけております。
そういった意味では
若い頃、今の営業部長がしているように
お客様の為に飛び回っていた日々を経て
ここ何年か仕入れと商品管理の為、
本社にいる時間がほとんどだった社長が
今1番生き生きして店頭におります。
やはりきものを挟んでお客様と話す瞬間が
一番嬉しい時間だと思います
名匠庵の仕入れ人でもある社長、
時間の許す限り店頭商品の解説をさせていただきます。
どうぞお声かけくださいませ。
丸栄閉店まであと30日です。
名古屋市中区栄のデパート、
「丸栄」の閉店セールに触れ、
こちらの暖簾を目印に、とお伝えしたところ
ホームページで見ましたよ!というお客様が
実際にお立ち寄りくださいました。
この、丸栄のマークを染め抜いた暖簾は
何十年も前に染められ、
呉服売場での催しの時に使用していたものです。
売場の前を通りかかる多くのお客様も
この暖簾を見て中に入ってきて下さり
丸栄や栄近辺の昔話を聞かせて下さいます。
どうやらこの暖簾、久しぶりに使用しましたが
お客様を招く縁起の良い暖簾だったようです。
ところで、
名匠庵の戸棚の奥からも
丸栄の思い出の品が出てきました。
平成5年(1993年)8月27日、
丸栄会社設立50周年の記念の品です。
丸栄の社史、懐かしい写真満載です。
こちらは
サントリー「響」丸栄50周年記念ボトル。
外壁のモザイクも再現してます。
この記念ボトル、当時のお値段で10万円!だったとか、、、。
国産ウイスキーが今大人気で
この「響」も生産が追いつかないというニュースを
最近見ました。
しまった、、、。
中身、ほとんど、残ってないです。
でも振るとチャプチャプ音がしますので
ちょっと味見してみたい気がします。
地元のお客様に愛された、
歴史ある建物。
見納めに多くのお客様が
おいで下さっています。
7階では「丸栄のあゆみ」
パネル展も開催しています。
どうぞお出かけくださいませ。