勝った!勝った!勝ったー‼︎
公言しておりませんが。
ファンです。応援してます。ドラゴンズ。
昨日のナゴヤドーム、
DeNA横浜ベイスターズに3ー1で勝利!
先発した松坂大輔投手が日本球界12年ぶりの、
中日ドラゴンズに来てから初めての、白星を手にしました。
昨日は名匠庵にご予約のお客様がご来社くださっていて
試合中継をリアルタイムで見ていないのですが、
試合後のヒーローインタビューを見ることができました。
ドアラの手荒い祝福も松坂投手のクシャクシャの笑顔も
良かったです。本当に、良かった!
実はここ毎年、
「ドラゴンズ沖縄春季キャンプ」を見学に行くのが
寒い2月の楽しみになっていまして、
二軍のキャンプ地、読谷平和の森球場の近くにある
「読谷山花織事業協同組合」を訪れ、花織について
組合の方にお話を伺う事も、もうひとつの楽しみです。
ドラゴンズが調子がいいと、
名古屋が、東海地方が、なんだか沸き立つ、気がします。
このままなんとか、日本シリーズまで!
…そして、本職の話。
読谷村の読谷山花織、
こちらについてはまた後日、改めて。
宮古上布の島、後日談。
先日、9月14日、
宮古島からゆうパックが届きました。
荷主は宮古織物事業協同組合さん。
ちょうど13日に宮古島を通過した台風18号の暴風雨の様子を
テレビで見ていて心配していたところでしたので、
お電話が通じて、お話しできて安心しました。
先日宮古島を訪れた際、タクシーの運転手さんは
ここ2年ほど宮古島には台風が来ていなくて、
陸は緑が生い茂り、海は動かず珊瑚は元気がなく、
という状態が続いていたそうで
台風のうねりが海の底を洗ってくれたり、
大風が害虫を島の外に飛ばしてくれたりするけど
、、、、あんまり大きいのはこまるね。
と話していたことを思い出しました。
ところで荷物の中身は宮古上布の紺絣着尺。
数年前から名匠庵にある宮古上布の柄が、
とても大柄で珍しく、
製作に携わった方のことなどを知りたいと思い
組合に持参したものです。
そして柄を見るなり、
下地恵康(しもじけいこう)さんの工房の作では⁉︎とのこと。
下地恵康さんは昭和の図案名人といわれ、
大柄な図案を得意とし、
伝統工芸士として当時最高の技術者であり、
宮古上布保持団体の代表を務められたこともおありだそう。
持参した着尺の証紙から
国・県指定の伝統工芸品であるものの
現在の検査基準が定められる以前の作であり、
重要無形文化財とすることはできない、との事でした。
そう、ずいぶん前に織り上げられたものなのです。
その糸の、あまりの繊細さに惚れ込んで、
ある問屋さんから譲り受けた、
あまり見かけない印象的な大柄の宮古上布。
せっかくなので綺麗に整理していただき
台風が来る直前に送ってくださった というわけです。
東京での「沖縄の工芸展」を控え多忙な中
本当にありがとうございました。
他に、今回お世話になった
宮古織物協同組合専務理事の神里佐千子さんはじめ、
同じく専務理事の上原則子さん、
宮古上布染色作家の新里玲子さん、
お三方が製作された名古屋帯も一本づつ 名匠庵にございます。
(新里玲子さんは下地恵康さんの工房で修行されたそうです。)
どんな柄か、
ご興味をお持ちくださった方、ぜひ名匠庵へお越しください。
組合で購入した宮古上布についての資料なども
お手に取ってご覧いただけます。
名匠庵へのご来社ご予約、
お問い合わせはメールにてお願い致します。
宮古上布の手入れ
8月の末に訪れた宮古島。
宮古島で宮古上布を着てみたい、
という夢をひとつ叶えてきました。
宮古島の強い日差しも
高温もなんのその。
軽くてサラシャリとした肌触りの宮古上布のきものは
一日中快適に過ごすことができました。
さて、
一日着てシワになった宮古上布。
シワも味のうち、と言いつつ結構なシワです。
もう9月には季節的に着られませんので
タンスにしまいたいと思います。
用意したのは霧吹きと
新聞6日分と
きもの用ハンガー
「麻のきもののシワ取りに使う霧吹き」は、
プロ用の粒子の細かいものでなくても
大丈夫。
市販のガラスクリーナーのボトルを
しっかりなんども洗ったものに水を入れて使います。
ごく稀に 大きめの水滴が出ますが気にせずたっぷり使います。
作業は風通しの良い日陰で。
きもの用ハンガーに掛け、
下に新聞を厚めに広げて準備完了。
たっぷり全体に、霧吹きをかけます。
きものに霧吹きをかけるのはドキドキしますが
思いきってしてみて下さい。
(ただし肩山、袖山はなるべく折り目を残したいので
避けてください。)
水をたっぷり含んで光っていますね。
そっと手で生地目を整えます。
水に濡れた状態でこすると毛羽立ちの原因になりますので
注意して下さいね。
水の重みで自然にシワが伸びていきます。
40分。
だんだん乾いてきました。
シワも気にならなくなっています。
(夏場なら30分で乾きます。)
全体が乾いたら
ハンガーから外し、折り目正しくたたみます。
新聞紙で挟み、
しっかり押しをします。
上になる呉服箱の中に重いものを均等にいれています。
きものを2つ折りにした輪の部分に
きつい折り目がつくのを避けるため
少しずらして置きます。
その後、念のためもう一度ハンガーに掛け
風通しの良いところで軽く干し
きちんと畳んでたとう紙に入れ、
タンスにおさめました。
また、来年、です。
宮古上布の島
8月の末、
宮古島に行ってきました。
今年6月17日から
セントレア中部国際空港から宮古島までの
ANA直行便が就航して、約2時間30分のフライトで
行くことができます。
数年前訪れたときには那覇での乗り換え時間含めて
4時間くらいかかっていました。
ただ、この宮古島直行便、期間限定のお試し就航とのこと。
たくさんの乗客の方に利用していただき、
ぜひ通年運航を実現していただきたいと願うばかりです。
ANAさん、 お願いします!
、、、それはさておき。
名匠庵の取扱い商品は大まかに分けて
約7割がフォーマル、
約3割が紬などの趣味性の高いきものや和装小物、
和のインテリアとなっています。
フォーマルきもののご相談を日々お受けする一方で
個人的に、どうしても心惹かれる、
その魅力をぜひ知ってほしいと願うきもの、
それが「宮古上布」です。
宮古織物事業共同組合を訪ね、
宮古上布について色々教えていただいてきました。
私は、25年呉服に携わっていますが、
製作の現場で見聞きしないとわからないことが多々あります。
お客様に、生産地である宮古島のこと、扱い方などなど
私のできるかぎりでお話しさせていただけるよう
勉強を続けていきたいと思います。
宮古織物事業共同組合 専務理事 神里 佐千子さんと
宮古島で宮古上布を着る。
してみたかった夢がひとつ叶いました。
組合のみなさまにお声をかけていただき、
お話しができて、うれしいひとときでした。
文月名匠展 ご来場ありがとうございました
週末の7月15日(土)16日(日)は名匠庵本社で
文月名匠展を開催いたしました。
展示会をきっかけに、初めて名匠庵にお越し下さるお客様が
近頃増えてきて嬉しく思う今日この頃です。
名古屋地下鉄東山線 一社駅から徒歩7分ほどですが
駅からご連絡くださればお車でお迎えにあがります。
ご遠慮なくお電話下さいね。
お車のお客様も、駐車場完備しております。
カーナビで「名匠庵」または電話「052-772-4682」で
目的地として設定していただけます。
来月8月5日(土)6日(日)も名匠展開催いたします。
どうぞお越しください!
今月は「南の島のきもの」展というテーマでしたが
お嫁入りのお支度や色無地のご相談、
振袖の下見などフォーマルのご用命が多かったです。
と、いうわけで
企画のひとつ、「宮古上布の試着会」はあまり出番がなく
、、、、、スタッフ相手に試着体験実践中の図。
宮古上布試着はいつでも体験していただけますので
どうぞお申し付けください。
竹富町の八重山ミンサー その2
八重山ミンサーには2つの組合があります。
石垣市織物事業協同組合
竹富町織物事業協同組合
名匠庵在庫のミンサー帯は竹富町織物事業協同組合のものです。
この沖縄県八重山郡竹富町という町、「竹富島」のことだけではないのだそうですね。
竹富町は、八重山群島のうち9つの有人島
(竹富島・西表島・由布島・小浜島・黒島・新城島・鳩間島・嘉弥真島・波照間島)
と7つの無人島の大小16の島々で構成された広大な町です。
竹富町のホームページに「美しき島々」と紹介されていますが、島から島へ高速船で珊瑚の海を渡るうち、その「美しい島々」にすっかり魅了されてしまいました。
その美しい島、西表島からやってきたミンサー帯を2本ご紹介します。
八重山ミンサー 細帯 NO 2
巾10㎝・長さ約4m14㎝ ※証紙部分11㎝含みます。
たてよこ糸 共に木綿
天然染料 藍・福木・クール・アカメガシワ・モモタマナ
製作者:高市弥生さん
細帯はかつて女性が自分で織り上げて意中の男性に贈ったのだそう。
帯の柄の五つ玉と四つ玉の絣(かすり)模様は「いつ(五つ)の世(四)までも共に仲睦まじく」の意、
両隅の細かい横縞はムカデの足に見立てられ「足繁く私の元に通ってください」との想いが込められています。
そしてもう一本
八重山ミンサー 半巾帯 NO 3
巾15㎝・長さ約4m13㎝ ※証紙部分 11㎝含みます。
たてよこ糸 共に木綿
天然染料 藍・福木・クール・アカメガシワ・モモタマナ
製作者:辻口由紀子さん
西表島で八重山ミンサー織りをしている高市弥生さんと出会い、
帯のブルーに惹きつけられて細帯を譲ってもらいました。
その時偶然一緒に手に取った半巾帯は高市さんの織物の大先輩辻口由紀子さんの作だそうで、
仲良く名匠庵の在庫に並べることにしました。
ご夫婦お揃いで浴衣にお締めいただいても素敵です。
ご結婚の記念やお祝いにいかがでしょうか。
お問い合わせ、ご購入ご希望の方はメールにてご連絡ください。
竹富島にて
遅めの夏休みをいただき、沖縄の小浜島に行ってきました。
中部国際空港からおよそ1690キロ。
2時間35分のフライトで石垣空港に降り立ちタクシーで30分、石垣港離島ターミナルへ。
小浜島へは高速船で40分ですがその前に竹富島に立ち寄りました。
竹富島は石垣港から高速船で約10分。
赤瓦の集落、白い砂を敷き詰めた小道、観光客を乗せた水牛車から聞こえる三線の音色、星の砂で有名なカイジ浜などなど周囲約9・2キロ、珊瑚礁に囲まれたこの島の魅力はとても一言では言い表せません。
そんな竹富島の集落にある竹富民藝館(竹富町織物事業協同組合)を訪ねました。
館内は竹富町の織物の歴史や工程、植物から作られる天然染料で染めた味わい深い色の糸などがわかりやすく展示されています。そしてその傍らには現役の織機が並んでいます。
ミンサー帯の筬(おさ)通し作業中のお手元を許可を頂き撮影させていただきました。
筬通し:針金状の綜絖(そうこう)に通した千本以上もの経糸(たていと)を一本づつ櫛状の筬の目に通していく作業
組合の方のお話では、竹富町の織物には
竹富芭蕉布や竹富麻布(苧麻)、
八重山グンポウ(たて糸が木綿、よこ糸には苧麻などを使った気軽な夏着物地)、
紬帯、ミンサー帯、花織り手巾などがありましたが、
7〜8年ほど前から着物地の生産はほぼストップしていて、
ミンサー帯を昔馴染みの取引先の注文に応じて作るのがやっとという状況なのだそうです。
芭蕉布は糸芭蕉という植物からとった糸で織ります。
手をかけて大切に育てた糸芭蕉を刈り取り、一枚ずつ皮を剥ぎ取り、
その皮を灰汁の大鍋でムラなく煮て、パイ(薄い鉄板)でしごいて不純物を取り除き、陰干しして糸を取り出していく。その工程のどれもが時間と体力と根気、熟練の技術を要する「人の手」がかかることで、従事される方も少なくなっているのでしょうか、、、。
織機があっても糸芭蕉や苧麻といった植物を着物地に織り上げて市場に豊富に出せるだけの「糸」がないのです。
民藝館に展示されている、ガラスの向こうの昭和初期のきものを目に焼き付けて竹富島を後にしました。
※竹富町のミンサー帯について オススメのきもの でご紹介しております。
よろしかったらご覧ください。
竹富町の八重山ミンサー
八重山ミンサー織りの織元は竹富町をはじめ石垣島などに数軒あります。
それぞれ手触りや色の配色などに織元の個性が見てとれます。
名匠庵の在庫にもミンサー帯があります。
竹富町で織られた半巾のミンサー帯です。
毎夏ごとにぽつぽつと売れていき、竹富町のミンサーは残り僅か。
約300年を超える歴史を持つと言われるミンサー織り。
古くは「綿狭帯」と言い、綿でできた狭い帯という意味です。
竹富町のミンサーは最も素朴な柄である 、
五つ玉
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と 四つ玉
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という絣模様を組み合わせて「いつ(五つ)の世(四)までも末長く、仲睦まじく」との想いが込められています。
竹富町のミンサー帯をはじめて手に取ったとき、弾力のある手触りに驚きました。
一度締めたらゆるむことはまずありません。
色目も福木やウコンなど天然染料の味わい深い色です。
地味ねぇとの印象を持たれるかもしれません、、、。
が、これほど味わい深い渋い半巾帯なかなかありません。
〈 八重山ミンサー半巾帯 NO 1 〉
巾15㎝ ・長さ 約4m16㎝ 長さたっぷりです。※証紙部分10㎝含みます。
たてよこ糸 共に木綿
天然染料
製作者:富本千代さん
詳しくはメールにてお問い合わせください。
宮古上布
名古屋はこのところ、はっきりしない梅雨空続き。
こんな日は昨年訪れた宮古島の海を恋しく思い出します。
宮古ブルーと言う言葉があります。
宮古島の海の色だったり、空の色のことだったり。
離島の海の色を皆さん憧れと親しみを込めてこう呼びます。
波照間島ニシ浜の海なら波照間ブルー、慶良間の海は慶良間ブルー。
仕事や日常に追われながらふとこの海の色を思い出し、島に行きたいなぁと思うのを、沖縄病とか八重山病っていうんですって。
さて、宮古ブルーにはもう1つ、飛びきりのブルーがあります。
photo: 琉球藍の宮古上布(個人蔵)
この織物の原料である苧麻という植物。
それを刈り取り、糸にする作業。
図案の絣(かすり)模様の通りに織り上がるように糸に下準備を施す作業。
琉球藍を苛性ソーダ、泡盛、黒糖や水飴などで発酵させて糸を染める作業。
そして織り手。
仕上げの砧打ち。
そのどの工程も従事する方が今とても少ないのだそう。
昨年、宮古織物事業協同組合にお邪魔した時、織り上がった宮古上布の検品中でした。
藍染め作業中の組合の方ともお話させていただきました。
昔は1日に15センチくらい織れていたものが現在は4センチほど。
経(たて)糸、緯(よこ)糸ともに手積みの苧麻、琉球藍の宮古上布は1年でわずか数反しか織り上がってこない状況だそう。
組合では平成12年に新たに規格を設け、上記の十字絣紺上布だけでなく草木染めや太い苧麻糸を使った帯地なども「宮古上布」として組合で検査し検査証の添付を行っているそうです。
新里玲子作 宮古上布 名古屋帯 (手積み苧麻糸・藍染)
名匠庵手持ちの宮古上布は今のところ、、、帯が2点のみです。
追記:
2019年(平成31年)4月現在、宮古上布の在庫点数が充実してきました。
ご興味のある方はぜひ名匠庵までお越しくださいませ。
今週末7月9日(土)、10日(日)の二日間、
名匠庵では「南の島のきもの展示販売会」と題して名匠展を開催します。→ご案内
芭蕉布や紅型、大島紬なども点数は少ないながら厳選しました。
ぜひお出かけください。
「紅型」の名付け親
立春間近のこの時期が、寒さのいちばん厳しい時ですね。
こんな日は色鮮やかな沖縄の紅型を手にとってみたいと思います。
「紅型」のはじまりは14世紀ごろ。
中国や東南アジアとの交易の中で伝わったインドやジャワ更紗の技法が沖縄の気候や風土とあいまって今の紅型の基礎となったそうです。
その後中国の染物や友禅の技法も取り入れながら沖縄独自の染物となりました。
琉球王朝の時代、紅型は王族や上流階級の衣裳で、庶民の着用は許されませんでした。
「紅型」の語源について『沖縄文化社編 沖縄の伝統工芸』という本にわかりやすく記されていますので引用させていただきます。
“ 紅型の紅とは、単なる紅色のことではなく、色を総称したものであり、また型とは、型染めのことではなくもようを指したものといわれている。
紅型の文字を用いたのは、紅型研究者の鎌倉芳太郎で、大正時代の終わりのころといわれる。王朝時代、染物は職人のあいだで型付とよばれていた。”
本当に独特の色!独特のもよう!
紅型とはよくぞ名付けてくださったと思います。
2月の沖縄は日本で1番早く桜が開花します。
鮮やかな琉球の寒緋桜を思い描きながらこの紅型の振袖を眺めています。