「紅型」の名付け親
立春間近のこの時期が、寒さのいちばん厳しい時ですね。
こんな日は色鮮やかな沖縄の紅型を手にとってみたいと思います。
「紅型」のはじまりは14世紀ごろ。
中国や東南アジアとの交易の中で伝わったインドやジャワ更紗の技法が沖縄の気候や風土とあいまって今の紅型の基礎となったそうです。
その後中国の染物や友禅の技法も取り入れながら沖縄独自の染物となりました。
琉球王朝の時代、紅型は王族や上流階級の衣裳で、庶民の着用は許されませんでした。
「紅型」の語源について『沖縄文化社編 沖縄の伝統工芸』という本にわかりやすく記されていますので引用させていただきます。
“ 紅型の紅とは、単なる紅色のことではなく、色を総称したものであり、また型とは、型染めのことではなくもようを指したものといわれている。
紅型の文字を用いたのは、紅型研究者の鎌倉芳太郎で、大正時代の終わりのころといわれる。王朝時代、染物は職人のあいだで型付とよばれていた。”
本当に独特の色!独特のもよう!
紅型とはよくぞ名付けてくださったと思います。
2月の沖縄は日本で1番早く桜が開花します。
鮮やかな琉球の寒緋桜を思い描きながらこの紅型の振袖を眺めています。