【2026年版】絽ちりめん、いつ着る?
2018年6月15日の「きもののうんちく」で「絽ちりめん、いつきる?」というテーマで絽ちりめん(絽縮緬)の解説と着用時期についてお伝えしてから、早いもので8年が経過しました。
その時、絽ちりめんは、とろりとした縮緬生地の柔らかな肌触りから、「単衣時期の6月、しかも梅雨の肌寒い日に着るもので、名前に「絽」とついていても7、8月の盛夏の着用には向かない、と言われています。」とお伝えした上で、気候変動やライフスタイルの変化もあり、許容範囲がだいぶ広がって、今は絽ちりめんを盛夏にお召しになっても、盛夏向きの絽のきものを6月末頃からお召しになっても、もういいのでは。とお伝えしました。
ちりめん特有のしなやかなシボ感と、絽の透け感を併せ持った「絽ちりめん」。
一般的な「絽」よりも生地に厚みと落ち感があるため肌にしっとりと添い、柔らかで優雅、気品ある着姿が最大の特徴で、色無地、小紋、付け下げ、訪問着などがあります。
改めて絽ちりめんを見てみましょう。

絽ちりめんの色無地反物。

反物を腕に。透け感ややあり、生地感柔らかです。
今回は、2026年現在の視点で、絽ちりめんを着こなすためのポイントをまとめました。
8年前との大きな違い 気温の変化
日本の6月・7月・8月・9月は、8年前と比較しても明らかに30℃越えの真夏日、35℃越えの猛暑日が増えています。
一方で「梅雨寒」、「梅雨冷え」という季語を体感する日はほとんど無く、夏中通して冷房がしっかりと効いた室内で、肌寒さを感じることが増えました。
かつての衣替えのルールだけを優先すると、体調を崩しかねないのが現状です。
絽ちりめん着用ガイド
4月1日〜30日
まだ早いです。
5月1日〜31日
暑い日もありますがまだ早いです。
別の単衣きもの、袷きもので乗り切りましょう。
6月1日〜30日
絽ちりめんの季節です。

揚柳半衿
長襦袢は単衣長襦袢か絽長襦袢
6月1日〜30日通して揚柳半衿を付ければ単衣向き帯、夏帯どちらにも合います。

絽半衿
絽長襦袢に絽半衿。夏帯向き。
長襦袢、半衿とも麻素材は向きません。
7月1日〜31日
絽ちりめん着用可能
8月1日〜31日
絽ちりめん着用可能

絽半衿
絽長襦袢、紋紗長襦袢に絽半衿
帯は夏帯
長襦袢、半衿とも麻素材は向きません。
9月1日〜30日
絽ちりめん着用可能

絽半衿
絽半衿、夏帯の組み合わせは9月20日ごろまでを目安に。

楊柳半衿
9月1日〜30日通して楊柳半衿を付けておけば夏帯、単衣向き帯どちらにも合わせられます。
長襦袢、半衿とも麻素材は向きません。
麻の長襦袢はさらりとして涼しいのですが絽ちりめんの柔らかな風合いと相性は良くありません。できれば正絹、またはできるだけしなやかな洗える襦袢がおすすめです。
「絽ちりめんの着こなしガイド」は完全版ではなく、地域、TPOにより異なる場合もありますので、ひとつの目安としてお役立てください。
絽ちりめん、特選きもの名匠庵に色無地が10点ほどございます。

お問い合わせフォームより日時をご予約の上どうぞご来店ください。
※楊柳半衿についての解説は2021年5月1日の「きもののうんちく」をご覧ください。
※楊柳半衿は名匠庵公式オンラインショップ
または実店舗「特選きもの名匠庵」にてご購入いただけます。
社長の庭仕事
連日、気温35℃越えの名古屋。
週末は曇り空で30℃との予報で風も吹いていましたので
午前中の短時間だけ社長は草取りのため庭へ。

土曜日。サツキの植え込みの雑草を丁寧に取り除いています。
この植え込み、
初夏には満開のサツキの花を楽しめます。

5月末ごろ、満開のサツキ

日曜日。玄関まわりのお手入れ
通りかかる方が「毎年楽しみ」と声をかけてくださいますので
社長が年間を通して手を入れています。
ところで社長の庭仕事、
欠かせないのが小さめの熊手。
最近主流のプラスチック製ではなく
竹製が使いやすいとのこと。
修理に修理を重ねて大事に使っていましたが
いよいよ新しい竹の熊手を購入することに。
量販店ではプラスチックの熊手しか取り扱いがなく
調べましたら徳川美術館の近くに
臼井竹材店というお店があることがわかり
先日早速お邪魔してお目当ての竹製熊手を5本入手しました。

臼井竹材店のご主人も
一度に5本買う人初めて見たと
目を丸くしていらっしゃいましたが
これで当分
社長の庭仕事もはかどりそうです。
【お手入れ事例】絞りの羽織を解いて誂えた形見のバッグを修理。
「大切な小物を、次世代へつなぐ」メンテナンス術
皆様のタンスの中には、大切にしまってある「形見分けのお品」や「思い出の詰まったおきものや帯」はございませんか?
先日当店で以前、お母様の形見の絞り羽織を解いて和装バッグをお誂えさせていただいたお客様から修理のご相談を承りました。
「気に入って使いすぎて、ついに持ち手がほつれてしまって……。なんとか直せませんか?」とのこと。


お持ちいただいたのは、絞りの柔らかな質感が美しい、趣のあるバッグです。
拝見すると、確かに持ち手部分は長年のご愛用で生地が擦れ、傷みが見られる状態でした。しかし、それは「いかにそのバッグがお客様の生活に寄り添い、愛されてきたか」という証でもあります。
その絞りのバッグを拝見しながら、お客様のそのお品への愛情を深く感じました。大切にされてきたものを、これからも変わらず使っていただきたく修理のご提案をさせていただきました。
今回のご相談で大切にしたのは、単に「直す」ことだけではありません。「これから先も長く、安心して愛用していただけるようにすること」です。
絞りのバッグの良さは、その軽やかさと手に馴染む柔らかさにあります。しかし、生地は繊細です。絞り生地の残り布があれば同じ布で持ち手を再度お作りすることも可能ですが、また同じように毎日使えば、いずれ同じ場所が傷んでしまいます。
そこで私たちがご提案したのは、「本革(レザー)」への持ち手変更でした。
「絞りの伝統的な風合いと、レザーの機能美」
一見、異素材の組み合わせに思えるかもしれませんが、実は非常に相性が良いのです。しなやかな絞りの質感を引き締め、全体的にモダンで高級感のある表情へと生まれ変わらせてくれます。何より、本革は耐久性が高く、使い込むほどに手に馴染むため、安心してお使いいただけるようになります。
先日、修理が完了したバッグをお客様のもとへお届けいたしました。
お客様はバッグを手に取り、「これでまた、安心してお出かけできますね。持ち手が新しくなったことで、バッグ全体の印象も引き締まって、とても素敵になりました」と大変喜んでくださいました。


絞りの繊細さと、本革の強さ。
新しい命を吹き込まれたそのバッグは、これからもお客様の日常を彩り、時には大切なお席でその方の装いを引き立てる名脇役として、長く愛され続けることでしょう。
「使い続ける」ことが、一番の供養になる
着物や和装小物において、形見分けのお品をタンスに眠らせてしまうことは、一番もったいないことだと私たちは考えています。
形見のお品は、実際に使うことで初めて輝き、お譲りくださった方の想いもまた、今の生活へとつながっていきます。
もし、壊れてしまったから、古くなってしまったからと諦めているお品がございましたら、「特選きもの名匠庵」にご相談ください。
バッグの持ち手交換だけでなく、帯のバッグへのリメイク、お着物の寸法直しや洗い張りなど、職人の技術と私たちの知識で、お品の状態とお客様のご希望に合わせた最適な解決策をご提案いたします。
「この先もずっと使っていきたい」
そんなお客様の想いを、これからも大切にサポートさせていただきます。
ご来店日時のご予約はお問い合わせフォームよりメールにて承ります。
「付け下げ」をなぜ付け下げと呼ぶか
今回は「付け下げ(つけさげ)」についてのお話を。
すっきりとした柄付けが魅力の「付け下げ」ですが、
そもそもなぜそのような名前で呼ばれるのか、
ご存じでしょうか。
「付け下げ」その名の由来は?
「付け下げ」の名前の由来をご紹介します。
付け。下げ。
その名の通り、
非常にシンプルで理にかなった理由があります。
仕立て上がった「付け下げ」を着装してみます。
胸元、袖、そして裾に、柄が配置されていますね。


この柄、正面の前身頃も後ろ姿の後身頃も
そしてお袖も
きものの肩山、袖山を境に
すべてちゃんと上を向いています。
「付け下げ」は白生地(反物)の状態のまま
「衿付け」を境に柄を「下げて」前と後ろに振り分けて描きます。
その製作上の配置により、この反物、このきものを「付け下げ」
と呼ぶのです。

売り場ではこのように反物の状態で販売しています

付け下げの反物を肩に合わせてみます

衿の付け根に白色の衿付けの目印があります

衿付け、肩山を境に反物を前後に下ろします

後ろに下ろした反物。裾の柄は上を向いています
付け下げの魅力と格について
付け下げは、小紋よりも格が高く、
総柄訪問着よりも軽やかな装いとして、
現代のライフスタイルに非常に馴染みやすいきものです。
「格式高い場でも、気取りすぎない余裕を見せたい」
「お茶会や観劇、友人との食事会で、さりげなく個性を光らせたい」
そんな、本物志向の皆様のニーズに寄り添うのが付け下げです。柄付けが控えめで上品なものは、帯の合わせ方一つで、お稽古着からちょっとしたパーティーまで幅広くお召しいただけます。まさに、大人の女性が「自分らしい品格」を表現するのに最適な一枚と言えるでしょう。
名匠庵がかなえる「最高の私」の装い
付け下げは、合わせる帯や小物によって、その表情を大きく変えます。だからこそ、TPOに合わせた正しい選び方が重要です。
「特選きもの名匠庵」ではお客様のお好みや、お召しになる場面に合わせたパーソナル・コーディネートをご提案しております。「この場面にはどんなきものを選べば間違いがないか」というご不安があれば、熟練のコンシェルジュが丁寧にお支度をお手伝いいたします。
お問い合わせフォームより日時をご予約の上ご来店ください。
着こなす
名匠庵のホームページには「きものの着こなし術」
というタイトルのページがあります。
「着こなす」は漢字で書くと「着熟す」。
辞書には、熟(こな)すとは
十分に自分のものにする、うまく使いこなす。
とあります。
では「きものを着こなす」は?
自分の個性や体型、
好きな色映える色を知り、
場所柄や季節感といったルールを心得つつ、
自分らしく心地よく、着姿がしっくりくる。
そしてなによりきものを楽しむこと、、、
、、、かなと考えています。
(ひとことで言うのってむずかしいですね)
ホームページの着こなし術では
柄合わせ、帯と着物の格合わせなどのほか
お手持ちのきものや帯を
修理加工の実例なども発信しています。
2026年5月15日には
お預かりした本鼈甲蒔絵バレッタの修理について
投稿をさせていただいたのですが
先日豊橋市で開催したミニ催事にそのお客様が
お茶会の帰りにおきものでご来場くださいまして、
髪にあしらったバレッタを見せてくださいました。

蒔絵の図案である竹の葉に
淡い藤色の螺鈿細工が施されており
それがお召し物の紫色とよく合って
引き立て合っています。
お客様に着こなしの良いお手本を
見せていただきうれしいひとときとなりました。
台風、あけび、関東腹の帯
本州に7号8号とダブル台風が接近しています。
台風と、あけびと、関東腹(かんとうばら)の帯
この3つのことがらには
ある共通点があります。
それは、左巻き(反時計回り)であること。
台風の渦と地球の自転(なぜ北半球では左巻き?)
台風が「左巻き(反時計回り)」になるのは、地球の自転と、それによって生まれる「コリオリの力(転向力)」が原因です。
- 中心に向かって風が吹く: 台風は巨大な低気圧なので、周囲の高気圧から中心(気圧が低い場所)に向かって強い風が吹き込みます。
- 自転の影響で風が曲がる: 地球は東向きに自転しているため、北半球では進む方向に対して右向きに曲がる力(コリオリの力)が働きます。
- 左巻きの渦になる: 中心に向かって進もうとする風が、ことごとく右に受け流される結果、中心の周りをぐるぐると反時計回り(左巻き)に回りながら吸い込まれていくことになります。
※南半球ではコリオリの力が逆(左向き)に働くため、南半球のサイクロン(台風と同じ現象)は「右巻き(時計回り)」になります。
「関東腹(かんとうばら)」の帯結び
帯問屋にとって、巻き方の違いはそのまま「商品の設計(柄の位置)」の違いを意味します。 名古屋帯や袋帯の前腹(お腹にあたる部分)は、表裏で柄の出方が異なるように作られているものが多く、呉服業界ではこれを明確に呼び分けています。
- 関東腹: 左巻き(反時計回り)に巻いたときに、一番良い柄が出る設計。

こちらが関東腹の帯結び
- 関西腹: 右巻き(時計回り)に巻いたときに、一番良い柄が出る設計。

「きものの衿合わせに沿って巻くのが関西腹」と覚えます。
お腹の柄が表と裏、違う柄がついている帯も多く、出したい柄に応じて
左巻き、右巻きと結び分けて楽しめます。
慣れない方向から巻くと、あれ?とわからなくなる時もありますが練習あるのみ!です。
ところで名匠庵の勝手口の階段下で「あけびの苗木」を育てていまして、
最近蔓がすくすく伸び上がり階段の手すりに巻きついています。
どこまで行くかとワクワクしながら毎朝眺めていますがこの蔓も左巻きです。


アケビの「左巻き」とDNAの神秘
植物の蔓(つる)がどちらに巻くかは、偶然ではなくDNA(遺伝子)によって厳密にコントロールされています。
- DNA自体が「右巻き」の螺旋構造: すべての生物の設計図であるDNAは、基本的に「右巻き」の二重螺旋構造をしています。
- ミクロの非対称がマクロの左巻きを生む: DNAの遺伝情報をもとに作られる細胞骨格(微小管など)の並び方に、わずかな「傾き(非対称性)」が生じます。このミクロな細胞レベルの傾きが、植物の茎の左右で成長速度の差(片側だけがよく伸びる)を生み出し、最終的にアケビの蔓を「左巻き(反時計回り)」に成長させます。
つまり、アケビが左に巻くのは、DNAに「左に巻き付きなさい」という指令が刻まれているからなのです。
他に「左巻き」の植物は?
アケビと同じように、反時計回りに巻き付く代表的な植物には以下のようなものがあります。
- アサガオ(朝顔):日本の夏でおなじみのアサガオは、上から見ると100%「左巻き」です。
- インゲンマメ:野菜のインゲンも左巻きに支柱に絡みつきます。
- フジ(藤)の「ノダフジ」:日本の固有種であるノダフジは左巻きです(※近縁種の「ヤマフジ」は右巻きという面白い違いがあります)。
- スイカズラ(吸葛):冬を耐え抜く強い生命力を持つ植物で、これも左巻きに伸びていきます。
以上。
ニュースで衛星画像の雲の渦巻きを眺めながら、、、
この雲どっち巻き?から始まったうんちくでした。
一年の、半分
こんにちは。
おひさしぶりです。
名匠庵女将大塚えり子です。
うかうか日々を過ごしているうちに
もう6月も半ばを過ぎました。
今月末の6月30日は「ハーフタイムデイ」。
1年、12ヶ月のうち半分の6ヶ月が終わる区切りの日。
ちなみに1年、365日の真半分の183日目は
7月2日です。
この日を境に一年の後半となります。
、、、という、
そんなブログを5年前の6月30日の「日々」に投稿してから
5年の月日が経ちました。
この間、反省を込めてホームページを
見返していて、あまりのご無沙汰ぶりに
震え上がっているところです。
名匠庵はおかげさまで一般のお客様、小売店様、
興和ファシリティーズ(株)丸栄外商部(旧名古屋丸栄)の
お客様に向けて変わることなく呉服あきないを
させていただいております。
日々の業務に追われ、
「名匠庵の日々」の更新がしばらくお留守になっておりましたが
再び発信をしていこうと思います。
この5月からは
名匠庵営業部長の渡部も
「営業渡部の日々」でブログを投稿しています。
「名匠庵の日々」ともども覗いて見てください。

きもの商いのこと、
旅とグルメ、
もしかしたら
ときどき
サザンオールスターズのこと
などなど
名匠庵の「なかのひと」
のひととなりに触れていただき
親しみをもってご来店いただけたら、と思います。
ちなみに
渡部、
わ た べ
と読みます。
よく、わたなべさんって
呼ばれて
困った顔をしているので
この場をお借りして
こっそりお伝えいたします。
座布団の特別なおあつらえと心尽くし
既製品では満たされない「色味へのこだわり」を形に
「特選きもの名匠庵」では、お着物だけでなく、
お客様の暮らしに寄り添う上質な和装関連品のお誂えも承っております。
先日は、茶席座布団のおあつらえのご相談をいただきました。
既製の座布団では、お客様の求める繊細な「色味」や「柄」のニュアンスが
見つからなかったとのこと。
和洋問わず伝統工芸への造詣が深い本物志向のお客様にとって、
「大切な場面で、格式を保ちつつも自分らしい個性が光る」装いや道具は不可欠です。
名匠庵は、こうした高度な審美眼を満たし、お客様の品格を表現するお手伝いをすることを喜びとしています。
京都の専門メーカーと創る唯一無二の品
お客様の求める「最高の品」を演出するため、私たち名匠庵は、
単に既製品を探すのではなく、その道のプロフェッショナルとの協働を選びました。
今回は、信頼を寄せる京都の上羽機業さんへ出向き、お客様のご要望を直接伝えました。そこには、熟練の職人が織りなす数多くの見本柄、見本色が並びます。その中から、お客様のお好みに最も相応しく、心に響くものを吟味し、選定いたしました。このプロセスこそが、既製品では得られない、ご満足いただける品質を保証する鍵となります。

伝統技術に裏打ちされた素材と、お客様の個性が結びついたおあつらえの座布団は、
先日無事に出来上がりました。細部にわたる点検を経て、お客様にお納めしたところ、
その仕上がりに大変お喜びいただくことができました。

綿100% 四綾織座布団 約40×44㎝

収納の美しさまで追求した「和晒し風呂敷」の心遣い
お品物を納める際にも、名匠庵ならではの心遣いを徹底しています。座布団のように長く大切に使われるものにとって、保管・収納のしやすさは非常に重要です。一般的な紙箱や紙包装紙では、埃や経年により収納しにくくなることが懸念されます。
そこで今回、私たちは特別な工夫を凝らしました。座布団の収納として、和晒し天日干し(わざらし てんぴぼし)の生成色綿生地を選び、風呂敷にお仕立ていたしました。


和晒し天日干し綿生地が選ばれる理由
- 肌に優しい風合い: 漂白剤を使わない生成り色と、天日干しによる柔らかな風合いが、品物を優しく包みます。
- 実用性と永続性: 紙と違い、繰り返しの使用や洗濯に耐え、座布団の保管袋として永続的に活用いただけます。
- 悪目立ちしない佇まい:優しい生成色は収納の際、目立たず沈み込まず棚などの空間にも上品に馴染みます。
この特製の風呂敷に座布団をお包みし、風呂敷ごとお客様にお納めしたところ、
「収納のことまで考えてくれてありがとう」と、おあつらえの座布団本体と同じくらい、この心尽くしを大変喜んでいただけました。
名匠庵は、3,000点を超える上質在庫と、熟練のコンシェルジュによるパーソナル・コーディネートを通じて、「最高の私」を演出するお手伝いをいたします。茶席座布団に限らず、「既製品では満足できない」「大切な場面で間違いのない装いをしたい」といったご要望がございましたら、どうぞおまかせください。
お問い合わせ、ご来社日時ご予約はお問い合わせフォームよりご連絡ください。
【帯のリメイク】愛用の赤い袋帯を「白い名古屋帯」に。残った生地で半巾帯と小物まで…女将のアップサイクル術

「赤」から「白」へ。脱色の魔法
かつてお気に入りだった鮮やかな色の帯。 生地の質は素晴らしく、締め心地も最高なのですが、年齢を重ねるにつれ「今の自分には少し色が強すぎ?」とタンスに眠らせてしまっている方も多いのではないでしょうか。

今回、私は赤色の袋帯を「白色」に「色抜き(脱色)」という選択をしました。
なぜ「脱色」を選んだのか?
通常の染め替えでは、元の色より濃い色(紺や黒、深緑など)を重ねるのが一般的です。しかし、今回はあえて一度色を抜き、明るい「白」へと生まれ変わらせました。
- コーディネートの幅: 白い帯は、どんな着物の色も引き立てる万能選手です。
- 軽やかさ: 赤の重厚感から、清涼感のある洗練された印象へ。
仕上がってきた帯を見たときは、その変貌ぶりに思わず声を上げてしまいました。元の織り模様はそのままに、光の加減で地紋が浮き上がる、上品な白の帯。これこそが、リメイクの醍醐味です。
袋帯から「名古屋帯」へ、仕立ての工夫
さらに今回は、形式も変えました。 重厚な「袋帯」から、普段のお出かけにも気軽に締められる「名古屋帯」へと作り替え(仕立て直し)を行ったのです。


名古屋帯にするメリット
- 軽量化: 袋帯特有の重さが軽減され、長時間の外出も楽になります。
- カジュアルアップ: セミフォーマルから上質な小紋まで、活用の場が劇的に広がります。
- 結びやすさ: 自分で手早く結べるため、きものを着るハードルがぐっと下がります。
「良いものだからこそ、しまい込まずに毎日でも締めたい」。そんな願いを叶える形になりました。
裏地も無駄にしない「半巾帯」へのアップサイクル
袋帯を名古屋帯に仕立て直すと、どうしても「裏地」が余ってしまいます。 しかし、名匠庵が大切にしているのは「布を慈しむ心」。
この残った裏地を活用して、「半巾帯」を仕立てました。 表地が白になった名古屋帯に対し、裏地で作った半巾帯は、また違った表情を見せてくれます。浴衣やカジュアルな紬(つむぎ)に合わせるのにぴったり。一本の袋帯から、二つの新しい帯が誕生したのです。

【現在進行形】残り15センチのワクワク
さて、名古屋帯と半巾帯を作ったあと、手元には「残り15センチほど」の生地が残りました。

「たった15センチ?」と思われるかもしれませんが、きもの好きにとっては宝の山です。
- 小さな小物入れ
- 香袋
- ミニ花瓶敷き・コースター
- 帯留めや髪飾りなどの小物
- ピンクッション(針山)など
何を作ろうか、今まさに楽しみながら思案しているところです。この「何を作ろうかしら」と考える時間こそが、きものライフにおける至福のひとときですね。完成したら、またこのブログでご紹介させていただきます。
あなたのタンスに眠る「思い出」を形にしませんか?
「特選きもの名匠庵」では、こうした帯のリメイクや染め替えのご相談を随時承っております。
- 「派手になってしまった帯を落ち着いた色にしたい」
- 「袋帯を名古屋帯にして、もっと活用したい」
- 「親から譲り受けた帯を、バックや数寄屋袋に」
- 「分厚く重たい昔の帯の『帯芯』を入れ替えたい」など
きものは、メンテナンスやリメイク次第で、何代にもわたって受け継ぐことができる素晴らしい文化です。 私たちは、ただ新しいものを販売するだけでなく、お客様がすでにお持ちの「宝物」を再び輝かせるお手伝いをしたいと考えています。
今回の私の体験が、皆様のタンスの中に眠る帯たちに新しい光を当てるきっかけになれば幸いです。 名古屋・一社の静かな空間で、皆様のきものへの想いをぜひお聞かせください。
店主・女将一同、皆様のご来店を心よりお待ちしております。
※素材などにより脱色後も色が残るなど不向きなものもございます。
一旦お預かりして職人による見立て、お見積もり後の作業となります。
本鼈甲金蒔絵バレッタの修理を承りました。
お客様の想いに寄り添う修理
今回ご依頼いただいたのは、お母様から譲られた本鼈甲に金蒔絵が施されたバレッタです。 「止め金具が壊れてしまい、もう使えないかと諦めていたけれど、母が長年愛用していて思い出が詰まった品なのでどうにか直して自分も使いたい」という切実な思いで、当店へ足をお運びくださいました。
鼈甲は天然素材であり、非常に繊細です。経年により艶が失われたり、保管状況によっては脆くなったりすることもありますが、何より代えのきかない「一点もの」であることがその価値を高めています。


職人による金具交換と細部へのこだわり
今回の修理内容は、古くなったバレッタ金具の交換です。
折れてしまった金具はとても繊細なシルエットで、以前は髪飾り金具の定番でしたが今回修理にあたり同じ金具は入手できませんでした。
- 金具の選定と交換 鼈甲本体に負荷をかけないよう、最新の注意を払いながら古い金具を取り外し、新しく丈夫な金具へと付け替えを行いました。
- 細部のクリーニング(ヘアスプレーの除去) 長年のご使用により、表面にはヘアスプレーの成分や皮脂などが付着しておりました。これらは放置すると鼈甲特有の美しい艶やかな光沢を損なう原因となります。専用の道具を用い、素材を傷めないよう優しく丁寧に汚れを取り除きました。
- 磨き上げ 汚れを落とした後は、鼈甲本来の深みのある飴色が出るよう、静かに磨き上げました。


美しくよみがえった鼈甲の輝き
修理を終え、無事にお客様のお手元へお納めすることができました。 仕上がりをご覧になったお客様からは、「新品のように美しくよみがえって本当に嬉しい。これでまた、大切に使っていけます」と、最高のお言葉をいただくことができました。
鼈甲のお手入れについてのアドバイス
鼈甲の髪飾りを長くお使いいただくために、以下の点にご注意いただければ幸いです。
- 整髪料の使用タイミング:ヘアスプレーやワックスを使用し、髪が完全に乾いた後にバレッタを装着することをお勧めします。
- 使用後のお手入れ:柔らかな布で、優しく乾拭きしてください。
- 保管場所:極端な乾燥や高温多湿を避け、防虫剤が直接触れないように保管してください。
名古屋で和装小物の修理なら「名匠庵」へ
「特選きもの名匠庵」では、バレッタの金具交換のほか、草履の修理、さらにはお着物のシミ抜きやサイズ直しなど、和装に関するあらゆるご相談を承っております。
「これは直るかな?」と迷われるようなお品物でも、まずは一度ご相談ください。名古屋市近郊の皆様はもちろん、大切な品を長く使い続けたいと願うすべての方の力になりたいと考えております。
皆様のご来店を、心よりお待ち申し上げております。
ホームページお問い合わせフォームよりご来店希望日をお知らせください。
2026年6月29日の名匠庵の日々にてお客さまのご着用のご様子をご紹介させていただいております。












