宮古上布
名古屋はこのところ、はっきりしない梅雨空続き。
こんな日は昨年訪れた宮古島の海を恋しく思い出します。
宮古ブルーと言う言葉があります。
宮古島の海の色だったり、空の色のことだったり。
離島の海の色を皆さん憧れと親しみを込めてこう呼びます。
波照間島ニシ浜の海なら波照間ブルー、慶良間の海は慶良間ブルー。
仕事や日常に追われながらふとこの海の色を思い出し、島に行きたいなぁと思うのを、沖縄病とか八重山病っていうんですって。
さて、宮古ブルーにはもう1つ、飛びきりのブルーがあります。
photo: 琉球藍の宮古上布(個人蔵)
この織物の原料である苧麻という植物。
それを刈り取り、糸にする作業。
図案の絣(かすり)模様の通りに織り上がるように糸に下準備を施す作業。
琉球藍を苛性ソーダ、泡盛、黒糖や水飴などで発酵させて糸を染める作業。
そして織り手。
仕上げの砧打ち。
そのどの工程も従事する方が今とても少ないのだそう。
昨年、宮古織物事業協同組合にお邪魔した時、織り上がった宮古上布の検品中でした。
藍染め作業中の組合の方ともお話させていただきました。
昔は1日に15センチくらい織れていたものが現在は4センチほど。
経(たて)糸、緯(よこ)糸ともに手積みの苧麻、琉球藍の宮古上布は1年でわずか数反しか織り上がってこない状況だそう。
組合では平成12年に新たに規格を設け、上記の十字絣紺上布だけでなく草木染めや太い苧麻糸を使った帯地なども「宮古上布」として組合で検査し検査証の添付を行っているそうです。
新里玲子作 宮古上布 名古屋帯 (手積み苧麻糸・藍染)
名匠庵手持ちの宮古上布は今のところ、、、帯が2点のみです。
追記:
2019年(平成31年)4月現在、宮古上布の在庫点数が充実してきました。
ご興味のある方はぜひ名匠庵までお越しくださいませ。
今週末7月9日(土)、10日(日)の二日間、
名匠庵では「南の島のきもの展示販売会」と題して名匠展を開催します。→ご案内
芭蕉布や紅型、大島紬なども点数は少ないながら厳選しました。
ぜひお出かけください。