成人の日
新成人の皆様
ご家族の皆様
御成人おめでとうございます。
全国的に雨や雪の成人の日となってしまいましたね。
昨年の同じ日に雨の日のきものの注意点などをご紹介しました。
きものと同様草履、バックも雨の日の取り扱いには
注意が必要です。
ぬれてしまった草履やバックは
布でおさえるようにして水分を取ってください。
佐賀錦などの生地で作られた草履バックは
ゴシゴシこするとけばだちが心配です。
合皮などの場合でもこすらない方が安心です。
帰宅後はすぐに箱にしまわず、
新聞紙の上に置いて
時折場所をずらしながら完全に乾かしてください。
置いたままですと
新聞紙と接している部分がいつまでも乾きません
とくに草履に泥や砂利がついている場合
まずそのまま乾かし、
(とくにひどい場合は固く絞ったタオルで軽く砂利を落として)
完全に乾いてから、
乾いた柔らかい布で砂利や泥をはたき落としてください。
この場合も強くこすると
砂利が生地の中に入ってしまいますので
ご注意ください。
箱にしまうのは「完全に乾いてから」。
名匠庵では
鼻緒がきつかった、またはゆるい、
草履の底の皮のお取り替え、
バックの金具、
ビーズ素材のお直しなど
草履バックをしまう前のお手入れも
ご相談をお受けしております。
どうぞご予約の上ご持参下さいませ。
……ここまで書いていて、
今日、横浜の振袖業者が
成人式当日に姿を消してしまったニュースを知りました。
何年か前、成人の日に新横浜を訪れたことがあり
ホテルの宴会場を貸切って
各業者さんが着付けをしている光景を
おみかけしました。
数百名ものお嬢様が晴れ着に身を包み
会場に向かって歩いていく光景は
それはそれは華やかだったことを覚えています。
ホテルのスタッフ、
そして別の業者さん、
近くの呉服店、美容院などが
姿を消したその業者に依頼していたお嬢様方のために
手を尽くしていたとも聞きました。
なんともやりきれないニュースです。
その後の経過がわかりませんが
お嬢様、ご家族様、
振袖の仕入れ先、仕立て屋さんなど
どれだけの人間を傷つけたことかと胸が痛みます。
ニュースを見るだけで今なにもしてあげられない
もどかしさを感じつつ
どうかきものを嫌いにならないで
と願うばかりです。