自然布の味わい
今週末、
名古屋市名東区の
名匠庵で「自然布」をテーマに展示会を
開催します。
自然布とは
「草や木、植物の繊維」で織られた布のことです。
絹や木綿が普及するより遥か昔、
人々は草の茎や樹皮を剥ぎ、叩き、煮詰め、績み、
それを織るなどして身を守る衣類としました。
その営みは全国各地に伝え残され、
今でも芭蕉、苧麻、葛、榀、麻、藤などで
きものや帯地が製作されています。
そもそも、きものの原材料としての樹木を
刈り取って運び出したり、
樹皮を剥いだり、大釜で煮たり、繊維を取り出し
糸状に紡ぐということは、
どれほどの体力と根気のいることでしょう。
その糸に色を染めるための草木を用意して
思い通りの色にするために
どれほどの経験がいるのでしょう。
自然の樹木は日本の里山にまだあるのに
自然布は「希少なもの」になってしまいました。
人の手でしか作り出せないのに
従事する人が少ないというのが現実です。
せめて私どもは
作り出された「自然布」の味わいを
手にとって見ていただける機会を作りたいと
考えています。
たくさんの展示ではありませんが、
ご購入いただき、
身近に愛でていただければ幸いです。
会場では、仕立て上がった
芭蕉布、宮古上布、八重山白上布きものを
肩に羽織って、その風合いを感じていただく
試着体験も行います。
会期中はご予約不要です。
ぜひご来場ください。
「自然布のきもの」展についてはこちら
「自然布のきもの in 豊橋」展についてはこちら