竹富島にて
遅めの夏休みをいただき、沖縄の小浜島に行ってきました。
中部国際空港からおよそ1690キロ。
2時間35分のフライトで石垣空港に降り立ちタクシーで30分、石垣港離島ターミナルへ。
小浜島へは高速船で40分ですがその前に竹富島に立ち寄りました。
竹富島は石垣港から高速船で約10分。
赤瓦の集落、白い砂を敷き詰めた小道、観光客を乗せた水牛車から聞こえる三線の音色、星の砂で有名なカイジ浜などなど周囲約9・2キロ、珊瑚礁に囲まれたこの島の魅力はとても一言では言い表せません。
そんな竹富島の集落にある竹富民藝館(竹富町織物事業協同組合)を訪ねました。
館内は竹富町の織物の歴史や工程、植物から作られる天然染料で染めた味わい深い色の糸などがわかりやすく展示されています。そしてその傍らには現役の織機が並んでいます。
ミンサー帯の筬(おさ)通し作業中のお手元を許可を頂き撮影させていただきました。
筬通し:針金状の綜絖(そうこう)に通した千本以上もの経糸(たていと)を一本づつ櫛状の筬の目に通していく作業
組合の方のお話では、竹富町の織物には
竹富芭蕉布や竹富麻布(苧麻)、
八重山グンポウ(たて糸が木綿、よこ糸には苧麻などを使った気軽な夏着物地)、
紬帯、ミンサー帯、花織り手巾などがありましたが、
7〜8年ほど前から着物地の生産はほぼストップしていて、
ミンサー帯を昔馴染みの取引先の注文に応じて作るのがやっとという状況なのだそうです。
芭蕉布は糸芭蕉という植物からとった糸で織ります。
手をかけて大切に育てた糸芭蕉を刈り取り、一枚ずつ皮を剥ぎ取り、
その皮を灰汁の大鍋でムラなく煮て、パイ(薄い鉄板)でしごいて不純物を取り除き、陰干しして糸を取り出していく。その工程のどれもが時間と体力と根気、熟練の技術を要する「人の手」がかかることで、従事される方も少なくなっているのでしょうか、、、。
織機があっても糸芭蕉や苧麻といった植物を着物地に織り上げて市場に豊富に出せるだけの「糸」がないのです。
民藝館に展示されている、ガラスの向こうの昭和初期のきものを目に焼き付けて竹富島を後にしました。
※竹富町のミンサー帯について オススメのきもの でご紹介しております。
よろしかったらご覧ください。