生誕110年 東山魁夷展
10月のはじめ、
仕入れと支払い、
染め加工の打ち合わせのために
京都に行ってきました
京都市内は先月の台風の影響がまだ
あちこちに残っているようです。
そしてこの日は
もうひとつのお目当て
京都国立近代美術館で開催中の
「生誕110年 東山魁夷展」を鑑賞するため
仕事を早めに切り上げて
5時の閉館1時間前に
ギリギリセーフで入館し、
唐招提寺御影堂障壁画の展示室で
その時間のほとんどを過ごしてきました。
742年(天宝元年)、
朝廷から派遣された遣唐使より
「伝戒の師」として日本への招聘を受け
来日を決意された鑑真和上は
12年間に5度の渡航を試み失敗、
次第に視力を失いながらも753年(天平勝宝5年)、
6度目にして苦難の海を越え日本の地を踏み
天皇はじめ多くの人々に授戒されました。
東山魁夷画伯による障壁画(襖絵)は
唐招提寺御影堂内に奉安された
鑑真和上に捧げるため
構想から10年もの歳月をかけて描いた大作です。
鑑真和上坐像が安置された厨子を納める
松の間の襖絵は和上の故郷揚州の風景を水墨画で、
また和上が越えてきた海を思わせる宸殿の間「濤声」は
絶え間なく打ち寄せる波と大海原が
画伯独特の青、青緑、青紫などで描かれています。
今回は襖絵全68面の配置が再現され、
しかもガラス越しではなく
肉眼で鑑賞できますので感激もひとしおです。
奈良の唐招提寺は今、平成の大修理中ですので
近しく拝見できて本当に幸運でした。
京都での展覧は10月8日(月祝)まで。
東京展は本年度10月24日(水)〜12月3日(月)
国立新美術館にて。
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