温故知新
今日、8月30日から9月4日火曜日まで
愛知県豊橋市
ほの国百貨店7階美術画廊で
「昭和の染織展」を開催しています。
昭和初期、政府より公布された
奢侈品等製造販売制限規則により
金糸・銀糸の使用、絵羽の制作は不可能となり、
西陣は休業状態となりました。
そのような状況下、
「昭和時代」に円熟期を迎えた染織作家達。
古より連綿と続く染めと織の技術を
彼らがいかに開花させ次代に遺したか。
来年5月の改元を前に作品を展示し振り返っています。
この染織展のために数ヶ月かけて少しずつ、
改めて作家の皆様の経歴をまとめる作業をしておりました。
戦争、終戦、高度成長、バブル期という
激動の昭和時代に
染め、織を生涯の仕事と定めた先生方は
先達の作品や、直接の指導、小さな古代裂から
多くのことを学びとり
ご自身の創作活動にいかすべく
研鑽を積んでこられたのだという事を
改めて実感しました。
ある方は西洋の旅の風景に影響を受け、
また、ある方は東方の出土品の織物に魅せられ
それぞれの道を極められました。
改めてその経歴とともに
作品を手に取り、
一枚のきものにたっぷりと込められた
技術の素晴らしさ、
きものの魅力を再発見しています。
この催し、
9月4日(火)まで、
ほの国百貨店 美術画廊にて開催中です。
ぜひお出かけくださいませ。
送り火過ぎたら
8月16日の五山送り火の翌日。
京都市内でタクシーに乗るやいなや
「『送り火」過ぎたら秋でっせ」
と、運転手さん。
「海入ったらくちびる青なりますもん。」
本当にその通りのさわやかな青空の下
京都迎賓館の見学に行ってきました。
京都御所の一角にある京都迎賓館は
海外からの賓客をお迎えするために、
建物に11種類の伝統技能者の技
(数寄屋、左官、建具、表具、畳、錺金物、漆、
截金、庭園、石造工芸及び竹垣)、
館内には14種類の伝統技能
(漆、蒔絵、螺鈿、錺金物、鎚起、鋳金、
竹工芸、京指物、木象嵌、西陣織、羅織物、
京繍、京組紐、七宝)を活用した調度品が
随所に配置され、平成17年(2005年)に開館した
国の迎賓施設です。
最高の工芸技術と日本の感性の結晶である迎賓館は
見学日に制限があるためなかなか予約が取れず
今回やっと訪れることができたのでした。
写真撮影が可能な箇所もあります。
見事な綴織の壁面装飾「比叡月映」。
丁寧な工程解説を見ることができました。
良いものを見ると
元気が出ます。
夏バテ気味の気持ちに良い刺激をいただきました。
これから秋のきものシーズンです。
9月の催しのご案内を「催事のお知らせページ」に
のせました。
どうぞご覧くださいませ
明日から葉月名匠展です
本日の名古屋、、、気温40・3度。
観測史上初というニュースを横目に
只今、明日8月4日(土)と5日(日)の2日間
名匠庵本社ショールームで開催の
「葉月名匠展」の準備中です。
「振袖展」と銘打ち
振袖選びや小物合わせなどをしていただける
コーナーをはじめ、
夏のきもの、涼やか肌着、礼装きもの、
趣味のきものなどもご覧いただけます。
今回は京都のメーカー「西原」から
生地と染めのエキスパート下戸公司氏が
塩瀬の染帯や小紋、付下げ着尺など
名匠庵好みのきものを展示して
皆さまのお越しをお待ちしております。
お家に眠っているむすび糸など白生地の活用法、
きものの染め替え、
お好きな色柄での別誂のご相談も
お受けします。
この機会にぜひどうぞ!
今回の葉月名匠展は開催時間がいつもと違います。
8月4日(土)、5日(日)両日共
午後1時〜5時の開催となっております。
どうぞご注意くださいませ。
※ご来場のご予約は不要です。どなたでもお越しいただけます。
黄昏飛翔
4日前の出来事。
夕方、社長が庭木に水やりをしていたところ
頭上に何事か気配を感じ、
空を見上げたら、、、
無数のトンボが列になって
南の空から北に向かって
飛行していたそうです。
時間にして、2〜3分。
延々とトンボが列をなして庭の上を横切り、
「空がトンボで真っ黒になった」(社長談)との事。
で、
社長、写真は?
の問いに
無い。最後まで見送った。
、、、という事で、画像はありません。
そんな話を初めて聞いて、調べましたら
気温が低い明方や夕方にトンボが餌を求めて、
または涼しい高地を目指して移動する
「黄昏飛翔」という現象だそう。
街中ではなかなか見られないらしいのですが
証拠写真がございません。
代わりに、
トンボ柄の長井ちぢみの反物を、、、。
南からのトンボが北に去った後は
強い台風12号が「東」から本州上陸の予報です。
極めてまれな進路の台風で、
影響の予測ができないと言われています。
どうぞご用心くださいませ
酷暑
名古屋はここのところ連日気温37度越えです。
気象予報士の天達さんが、
テレビでこの名古屋の状況を
「エジプトの首都カイロと同じです」と解説していました。
それを聞けば、栄の中心にある百貨店
三越さんの店頭のライオンがスフィンクスに見えて、、、
こないこともない、です、ね。
そのスフィンクスを横目に、
先日店舗営業を終了した丸栄百貨店に
行ってきました。
店内はもう、一部什器が残るのみ。
音楽も館内放送も
お客様と販売員の話し声もなく、
日直の本社員さんと撤収作業中のメーカーさんが
数名いるだけです。
その本社員さんも今日20日まで。
明日から皆さんそれぞれ新たな生活が始まります。
屋上の稲荷社の鳥居。
催事や営業がうまくいったとき、いかなかったとき
そっとお参りしていた販売員さんも多かったはず。
もう私どもは屋上には上がれません。
売場のあった8階東側階段非常口から
最後の一枚です。
文月名匠展
明日7月7日(土)、8日(日)の両日は
名匠庵本社ショールーム
「特選きもの名匠庵」にて
文月名匠展を開催いたします。
普段は納品、催事などで私共係員が不在の場合もあり、
事前にご来社日をご連絡いただけますよう
お願いしておりますが、
名匠展開催中はご予約なしでお越しいただけます。
きものに関するご相談、ご質問、
お探しもの、クリーニングなどなど
出来る限り全力で!承ります。
会場の準備を社長に任せ、商用で豊橋市へ出かけた帰り道。
各地で大雨が降っています。
ご来社の際にはどうぞお気をつけてお越しくださいませ。
丸栄百貨店
6月30日 午後7時、
丸栄百貨店は75年間続いた店舗営業終了の時を迎えました。
6時50分から始まった蛍の光のメロディーは
最後のお客様をお見送りした7時20分まで流され続けました。
7時18分、
地元のお客様への感謝をこめた最後の館内放送は
ありがとうございました
ありがとうございました
と、繰り返し、静かに終了しました。
そのメッセージを聞きながら
わたくしども8階の呉服、宝石、美術等スタッフは
粛々と撤収作業を、
そして1階東側玄関では
予想をはるかに超えるお客様に見送られ、
最後のシャッターが降りたのだそうです。
丸栄特選きものサロンをご愛顧くださいました
お客様、誠にありがとうございました。
今後の、呉服に関するご用命は
引き続き名古屋市名東区名匠庵本社ショールーム
「特選きもの 名匠庵」にて承ります。
どうぞよろしくお願いいたします。
セール期間中お買い上げ頂いた帯、きもの等の
お仕立てのご用命もこちらで承ります。
※納品、商談などで不在の場合がございます。
ご来社はご予約制とさせていただいております。
お手数をおかけしますがお電話またはメールにて
ご来社日時をお知らせください。
「文月 名匠展」はご来社のご予約は不要です。
今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。
夢の途中
平成30年6月30日(土)の丸栄百貨店閉店まで
今日を含めあと3日。
日中は毎日丸栄館内にいるのでわかりませんでしたが
この地方の情報番組や新聞などで
連日丸栄の話題が取り上げられているようですね。
8階の呉服売場にも
お得意様や懐かしいお客様、
取引先や丸栄OB、OGの大先輩が
立ち寄ってくださり
ありがとう、お元気で、
今後ともよろしくとの言葉が
あちこちで飛び交っています。
そして一番多くいらっしゃるのが
カメラ片手に丸栄館内を撮影されるお客様です。
戦後まもなく営業を再開した丸栄は
関西建築界の巨匠村野藤吾氏に設計を託し
とびきりモダンな百貨店として名を馳せました。
幾度か改装を重ねた現在、
当時の面影は薄らぎつつありますが
そのデザインはいまもところどころ残っています。
西側壁面 有名なモザイク壁
東郷青児画伯デザインのエレベーター扉
皆さんが必ず撮影していらっしゃる
東側階段8階からの手すり。真似して撮って見ました。
ところ変わって
こちらは地下鉄栄駅と丸栄を結ぶ
サカエ地下街、名物「クリスタル広場」の現在の様子。
クリスタルも噴水もいま取り払われてまっさらな状態で
来年のサカエ地下街50周年に向け改装工事の真っ最中です。
今は共に歴史を刻んだ丸栄との歩みを
パネル展で振り返っています。
栄周辺がこの先どう変わっていくのか、
まったく想像できません。
けれどきっとどなたかが描いているであろう
未来の栄地区の設計図や建築パースに向かって
各方面、多くの方々がもう動いているのだと思います。
あちこちで繰り返される工事や
閉店、開店の紅白幕、
完成してしまえばきっと忘れてしまうであろう
この夢の途中の風景を
このページに残しておきますね。
丸栄の日々
日々、
丸栄百貨店8階呉服売場店頭に立っています。
日頃は名匠庵本社ショールームにいる社長、
日々お客様やお取引先を飛び回っている営業部長、
丸栄担当の女性社員ともども
6月30日(土)PM7:00、
最期のシャッターが下りるまで
出来る限り店頭に立つようにしています。
丸栄店頭でのお仕立ての承りが終了していますので
生地を一旦お持ち帰りいただき、
改めて弊社名匠庵本社にてお仕立てを承ることについての
ご案内を皆でさせていただいております。
お仕立てやクリーニングなど、
後々まで安心しておまかせいただけるよう
しっかりとご案内させていただきます。
そして何より
店頭にお越し下さったお客様に
良いものが手に入ったと満足していただけるよう、
商品の説明をきちんとさせていただくよう心がけております。
そういった意味では
若い頃、今の営業部長がしているように
お客様の為に飛び回っていた日々を経て
ここ何年か仕入れと商品管理の為、
本社にいる時間がほとんどだった社長が
今1番生き生きして店頭におります。
やはりきものを挟んでお客様と話す瞬間が
一番嬉しい時間だと思います
名匠庵の仕入れ人でもある社長、
時間の許す限り店頭商品の解説をさせていただきます。
どうぞお声かけくださいませ。
丸栄閉店まであと30日です。
名古屋市中区栄のデパート、
「丸栄」の閉店セールに触れ、
こちらの暖簾を目印に、とお伝えしたところ
ホームページで見ましたよ!というお客様が
実際にお立ち寄りくださいました。
この、丸栄のマークを染め抜いた暖簾は
何十年も前に染められ、
呉服売場での催しの時に使用していたものです。
売場の前を通りかかる多くのお客様も
この暖簾を見て中に入ってきて下さり
丸栄や栄近辺の昔話を聞かせて下さいます。
どうやらこの暖簾、久しぶりに使用しましたが
お客様を招く縁起の良い暖簾だったようです。
ところで、
名匠庵の戸棚の奥からも
丸栄の思い出の品が出てきました。
平成5年(1993年)8月27日、
丸栄会社設立50周年の記念の品です。
丸栄の社史、懐かしい写真満載です。
こちらは
サントリー「響」丸栄50周年記念ボトル。
外壁のモザイクも再現してます。
この記念ボトル、当時のお値段で10万円!だったとか、、、。
国産ウイスキーが今大人気で
この「響」も生産が追いつかないというニュースを
最近見ました。
しまった、、、。
中身、ほとんど、残ってないです。
でも振るとチャプチャプ音がしますので
ちょっと味見してみたい気がします。
地元のお客様に愛された、
歴史ある建物。
見納めに多くのお客様が
おいで下さっています。
7階では「丸栄のあゆみ」
パネル展も開催しています。
どうぞお出かけくださいませ。