ご予約ありがとうございます
名匠庵ではご来社の際、
メール、またはお電話で
あらかじめお日にちのご予約を
いただいております。
9月は、
振袖の小物合わせを希望される
お客様よりのご来社ご予約を
多くいただきました。
おはなしを伺うと
前撮りを11月ごろに予定していらっしゃる
方が多いようですね。
9月上旬。
ある日の名匠庵店内風景。
髪飾りのお見立て希望のご予約をいただきました。
この日はお客様所有の振袖に
髪飾りを含めた振袖和装小物選びの
ご予約でした。
この日はお仕立て上がりの振袖に小物を
コーディネートしました。
写真ではわかりにくいのですが、
きものに合わせて髪飾りや帯揚げを
ちょこちょこ追加しています。
そして本日はお子さまが中学校の入学式を
来春にひかえたお母さまの訪問着選びの
ご予約をいただきました。
ご持参された袋帯に、
棚の中の弊社所蔵の訪問着の中から
お似合いのきものをお合わせしました。
ご予約の際、
ある程度お話しを伺い、
見やすい状態にして
準備万端お客さまを
お迎えいたします。
メールやお電話でご予約後、
はじめて名匠庵に
お越し下さるお客さま、
こんな様子でお客さまをお迎えしております。
万が一お気に入りのお品が
見つからなかった際には
再度お手配させていただきますので
おきもの、帯をお探しの方、
小物を合わせをご希望の方、
クリーニングご希望の方、
コーディネートのご相談をしてみたい方、
草履やバックの修理など、
どうぞ
おきもののことでしたら
ご遠慮なくお声かけくださいませ。
おわら風の盆
富山県富山市八尾町で
江戸時代から約300年続く伝統行事
「おわら風の盆」。
毎年、立春から210日目の
大風の時期、
9月1日から3日間行われます。
「風の盆」とは、
おわら風の盆行事運営委員会発行の
パンフレットによると
元禄15年3月、
加賀藩から下された「町建御墨付」を
八尾の町衆が町の開祖米屋少兵衛家所有から
取り戻した祝いに3日3晩歌舞音曲無礼講の
賑わいで町を練り歩いたのが始まり
とされています。また、
これをきっかけに盂蘭盆会も歌舞音曲で
練り歩くようになり、やがて二百十日の
風の厄日に風神鎮魂を願う「風の盆」と称する
祭りに変化し、9月1日から3日に行うように
なった
と言われています。
(たしかに今、台風15号が接近中ですね。)
また、「おわら」とは
おわら節の唄の中の「おわらひ(大笑い)」が
いつしかおわらと唄われた、という説や
万年豊作の「大藁(おおわら)」
が元ともいわれ諸説あります。
風の盆では八尾の11ある町内それぞれに
揃いのゆかたに目深に被った編笠姿の
25歳までの若い男女の踊り手たちが、
町内の熟練たちが奏でる
胡弓、三味線、太鼓、地唄による
ゆったりした「おわら節」にのせ、
磨き抜かれた踊りを優雅に舞い続けます。
その舞台、八尾は「八川、八谷」と
呼ばれるほどに自然あふれる
山あいの小さな町です。
かつては養蚕が盛んだった八尾の町。
現在はおわら和紙と風の盆で全国的に有名です。
そんな越中八尾に、おわら風の盆最終日
9月3日に行って来ました。
まずは八尾和紙の「桂樹舎」へ。
蚕の卵(蚕種)を産み付けるための蚕種紙、
越中富山の売薬の包み紙づくりから
のちに芹沢圭介と出会ったことで
八尾和紙は民芸としての美しさを今に伝えています。
蚕種紙 富山売薬によって全国へ販売されたそうです。
繭の図案「まゆ柄」が染められた八尾和紙の名刺入れ。
桂樹舎の館内。落ち着いた和紙のしつらえです。
八尾 東新町の若宮八幡社も訪れました。
こちらは養蚕宮も合祀されていて、
お蚕さんをとても大切にしていることが伺えます。
曳山展示館で
蚕種、養蚕、生糸、和紙、木炭生産で栄えた八尾の象徴
豪華絢爛な曳山も見学して来ました。
館内展示室では「カイコと八尾」の歴史がわかりやすく解説されています。
さて
肝心の風の盆。
最終日の3日は夜7時から深夜、
そのあと夜明けまで続きます。
偶然出会った、
風の盆に25年通い続けているという方に
「11の町それぞれいいけど
西新町の男踊りが本当にいいから」、といわれ
長い時間を西新町で過ごしました。
「雪駄の音がいいんだよなぁ」という
言葉通り本当になめらかでシャープで
キレが良くて、小気味いい素晴らしい踊りでした。
男踊りの逞しさが
女性の踊り手の優雅さを生み出すと
解説があり、
おわら節の音色も相まって本当に心に沁みる
夢を見ているようなひとときでした。
名匠庵の先代社長大塚正男も
かつて風の盆を訪れ
生前にもう一度いきたいと願いつつ
何枚も何枚も絵に描いていました。
帰って来て、この絵を見ていると
同じ夢心地を味わっていたかと
感慨深い思いがしました。
いつか訪れたい
そんな町がまたひとつできました。
明日から長月名匠展です
明日、9月7日(土)と8日(日)の両日
名古屋市名東区の名匠庵本社にて
長月名匠展を開催いたします。
今回のテーマは
「お子さまの晴れ着展」。
お宮参り、七五三、十三参り、卒業式、
成人式という通過儀礼のお子さまの衣装と、
お付き添いのお祖母さま、お母さまの
お召し物をご覧いただけます。
ホームページに今回の催しのご案内を
掲載しましたところ
お問い合わせを何件か頂戴しておりまして、
お子さま用の上質な祝い着を
お探しの方がまだまだ多くいらっしゃるのだと
感じました。
また、今回の名匠展の当日にご都合が
つかないとのことで
昨日ご来社下さり、
振袖をお誂えくださったお客さまも
いらっしゃいました。
丁寧に染められた色とりどりのお子さまの祝い着を
ご覧いただく良い機会です。
ぜひ長月名匠展にお越しくださいませ。
十一屋 (じゅういちや)
7月と8月は豊橋「ほの国百貨店」で
催しを3つ開催いたしました。
7月は
7階の売場で
「和装お役立ち小物特集」、
8月は
8階催事場で
夏の染織名匠展「お子さまの晴れ着特集」と
7階売場で「付け下げ逸品展」。
催事中、
クラクラするような暑さの中、
小物あわせのご相談に
ご来店くださったお客さまが
ご持参された”あるもの”に
店中の販売員が大感激、大感動!
という出来事がありました。
お客さまが撮影を快諾してくださいましたので
ご紹介させていただきますね。
クラシックなジュエリーケース。蓋を開けますと…
果物が丁寧に彫られた珊瑚の帯留と三分紐…
……の、蓋を拡大します。
「JUICHIYA NAGOYA」
東海地方の御年配の方でしたら
ピンとくるかもしれません。
昨年6月30日、店舗営業を終了した
名古屋の「丸栄百貨店」の前身
「十一屋」のロゴマーク入りの
ジュエリーケース‼︎
十一屋について少しお話ししますと、
元和元年(1615年)に小間物商として創業。
大正 4年(1915年)、名古屋市栄4丁目で
十一屋呉服店として店舗営業を開始。
その後洋風建築に改築をかさね
大正11年(1922年)に十一屋呉服店から
「株式会社十一屋」となり、
昭和18年(1943年)に「株式会社十一屋」は
「株式会社三星(昭和12年設立)」と合併し
「株式会社丸栄」が誕生したのです。
丸栄店舗営業終了に際し復元された
十一屋、丸栄、三星のロゴ暖簾と歴代の制服
今年は2019年、
十一屋の名前が消え、76年の歳月が流れました。
お母様から譲られたという
このジュエリーケースと珊瑚の帯留は
少なくとも76年、またはそれ以上も前に
十一屋のショーケースに飾られていたのだと
想像できます。
旧十一屋の建物は昭和11年(1945年)の空襲で
全焼してしまったのだそうで、
今となっては本当に貴重なお品です。
今私どもが出店しております「ほの国百貨店」
も前身は「豊橋丸栄」で、
十一屋とはご縁があります。
この場に居合わせた係員全員が
ロゴマークの本物を初めて見たと
驚き、感激したというわけです。
肝心のご相談は
付属の三分紐(帯締め)を新調したい
ということと、
この帯留をどんなきものにあわせれば良いのか
というご質問。
三分紐を数種類ご紹介させていただき、
礼装を避けカジュアルなお出かけのきものに
お使いいただけるとお伝えしました。
お客さまに
十一屋のお話をさせていただきましたところ
私どものあまりの驚きように
保管はこの組み合わせのまま
大切にするわねとおっしゃってくださいました。
元和元年創業、十一屋ゆかりの品と
令和元年に出会えた、うれしい夏でした。
猛暑の名古屋より
本日の名古屋市…気温38度。
お隣の豊田市…38度9分…。
猛暑の名古屋より
残暑お見舞い申し上げます
喜如嘉の芭蕉布 (個人蔵)
今日は青空になったり、
雲が厚くなったり。
夕方には風が出てきました。
台風10号が西日本に近づいています。
影響は広範囲とのことですので
皆さまどうぞお気をつけください。
文月名匠展
7月20日(土)と21日(日)の二日間
名匠庵本社ショールームにて
「文月名匠展」を開催しています。
今回の会場の様子です。
メインテーマの「夏の帯祭り」と
紬の着物などは2階に。
振袖のリクエストがありましたので
1階は振袖をメインに。
何も置いていない印象ですが
振袖選びにはこのくらいの空間が必要と
考えています。
肝心の振袖は全て棚に整理されていまして、
そこから
ご予算とお嬢さま、ご家族みなさまの
思いに沿う振袖を納得いくまで
何通りでもご試着いただけます。
そして
振袖、帯と小物、髪飾りなどを
試着していただいた状態で
ご家族のみなさまに
必ず遠くから
見ていただくようにしています。
近くで見ているとわかりづらいのですが
離れて見ることで
ご身長と柄、小物との色合わせのバランスが
客観的に判断できるというわけです。
振袖に限らずきものは
このように試着をお勧めしますし、
ご寸法など打合せが必要なことが
たくさんあるのにも関わらず、
直接相談できる実店舗が数少なくなっております。
ホームページ「名匠庵について」で
弊社について触れております通り
昭和47年創業以来積み重ねてきた
お客さまとの交流を大切に
今日まできもの商いをさせていただいております。
もし
おきものをお探しでしたら
どうぞ弊社のきものを見に
いらしてください。
大阪日本民芸館 「自然布 -草木で織りなす- 展」
自然布とは、
植物の繊維を用いて織りなされる布のことである
〜大阪民芸館 解説文より〜
今年3月2日から7月15日まで
大阪の万博記念公園内にある
大阪日本民芸館で開催されている
「自然布 草木で織りなす」展。
先日、やっと念願叶いギリギリセーフで
行くことができました。
新大阪から御堂筋線で千里中央駅へ。
そこから大阪モノレールで万博記念公園駅下車。
公園駅からの眺めです。太陽の塔まで歩いて20分ほど。
太陽の塔を横目にさらに5分ほど公園を歩きますと
念願の大阪日本民芸館に到着です。
館内は撮影禁止ですので画像はございません。
全国の民芸館所蔵の
苧麻(からむし)や大麻の皮と糸、
ぜんまいの冠毛やぜんまいの糸、
楮(こうぞ)や藤、葛の糸など、
材料となる草木の展示をはじめ
その草木の「糸」から編んだり、織られて
「布」となったきものや帯などが約70点、
展示室に程よい間隔で展示されていました。
「草」や「木」の繊維を
「糸」にして、それを「布」にするということは
樹木を伐ったり皮を剥いだり、
大釜の湯を扱うなど相当な力仕事であり、
かなりの手間を要することです。
それぞれの植物ごとの風合いの違い、
より快適に、肌触り良く、
との工夫がこもった
麻や芭蕉のきものたちを
ただただ静かに
一点一点拝見してきました。
ちなみに
展示品には詳しい解説などは添えられず、
品名や作者、所蔵先のみが
小さな黒地の紙に朱の文字で記されているのみです。
これこそが日本民芸館の
「人間が本来持っている
美を感受する本能的な「直観力」で
知識や先入観に惑わされず
囚われのない自由な心と眼で感じ取り
目の前のものを深く味わってほしい」との
思いのこもった展示方法なのだということを
初代館長柳宗悦さんのメッセージボードで知りました。
来場者向けのわかりやすい出品解説資料は
別途用意されていますので
そちらはあとでゆっくり読むとして、
まずは対象物を眼で観ることの大切さを
あらためて学んだ1日でした。
追記
太陽の塔の内部見学も予約して見学してきました。
当時まだ幼く、万博に行けなかったので
50年の歳月をへて、
しかも中に入ることができて大感激でした。
生命という素朴でストレートな展示テーマと
不思議な迫力に圧倒されてしまい
クラクラしながら帰途についたのでした。
1年前の今日
1年前の今日
2018年6月30日は
丸栄百貨店の店舗営業最後の日でした。
最終日の丸栄百貨店の様子
1年後の様子は
2019年6月27日撮影 今は解体作業が日々進んでいるようです。
株式会社丸栄は、店舗営業は終了しましたが
外商部は存続しております。
この1年の間にも
外商さんを通じてお得意様の
おきもののお手入れやご相談、
新たなお誂えを数多く承りました。
また、
店頭でお買い求めいただいていたお客様からも
わたくしども特選きもの名匠庵に
その後のご相談を直接多数頂戴しております。
名古屋市名東区にございます
「特選きもの名匠庵」では
新たなお誂えのほか
お手入れ、草履の修理、
お仕立て替え、小物コーディネートなど
呉服全般のご相談をお受けしております。
お手入れやお仕立て替え、小物コーディネートは
どちらの百貨店、呉服屋さんでお買い求めになった
おきものでも承っております。
お見積もりなどをきちんといたしますので
どうぞご遠慮なく、安心してお持ち込みくださいませ。
※少人数で運営しております為
ご来社の際はご予約をお願いしております。
メール又はお電話でお知らせ下さい。
※7月20日(土)、21日(日) 両日は
ご予約不要の「名匠展」を開催いたします。
詳しくは催事のお知らせをご覧ください。
季節感か、気温か、。
6月13日の「名匠庵の日々」でもご紹介しましたが
豊橋市民球場近くのフローラルビレッジ1階
「ギャラリーサロンヒュッゲ」にて
ミニミニ催事を開催しました。
いつもご愛顧くださっている
お客さまをはじめ、
2階の「スタジオプルメリア」での
フラのレッスン帰りに生徒さんが
立ち寄ってくださるなど
たくさんのお客さまにご来場いただき
賑やかな催しとなりました。
ご来場くださったみなさま
本当にありがとうございました。
今回、梅雨の最中の催しでしたが
雨がまったく降らないのに
湿度が高いという天候で、
お客さまと話題になったのが
「きものを着るのに優先すべきは
季節感か、気温か」
というテーマ。
6月は単衣のきもの、という季節の決まり事の一方で
30度を超える気温の日に、うすもののきものは早いのか。
きものやさんとしては
うすものは7月から、
肌着などで涼しい工夫を、
などと言いつつ
透け感の少ない夏のきものを
お持ちのかたには
これなら6月でも良さそうと
お伝えすることもあります。
約束事が優先する場面はそれにしたがいつつ、
気温に合わせて、着たいものを自由に着て快適に過ごす。
そんな考えかたが
徐々に受け入れられつつある猛暑の日々です。
お茶席と、ちょっとお茶でも、、の きもの展
今月6月20日(木)〜23日(日)まで
愛知県豊橋市の
「ギャラリーサロン ヒュッゲ」で
ミニミニ催事をさせていただきます。
お題は
「お茶席と、ちょっとお茶でも、、のきもの展」。
今日はその打ち合わせのため
ギャラリーサロン ヒュッゲにおじゃましています。
フローラルビレッジ
ギャラリーサロン ヒュッゲ
フローラルビレッジは
「いくつになっても若く美しくありたい、
綺麗で可愛いものに心をときめかせ、
おいしいものに目がない!」
そんな大人の女性の「大好き」をいっぱい
詰め込んだ場所です。
カフェ、ケーキ屋さん、
音響映像設備が整った広いスタジオスペース、
そして今回展示会をさせていただく
「ギャラリーサロン ヒュッゲ」と
常に訪れる人が絶えない
情報発信の場になっています。
今回、
「お茶席用の色無地や付け下げと、
ちょっとカフェや美術館でお茶でも、、
というお出かけの時に着ていただきたいきもの」
をテーマに、
明るくナチュラルな雰囲気のこの空間に
どうやって展示しようか
あれこれ作戦会議をしてきました。
和装のクラッチバックや普段使いのバック、
シンプルで形の良い草履も展示予定です。
お近くにお住まいの方、ぜひお立ち寄りくださいませ。