【お手入れ事例】絞りの羽織を解いて誂えた形見のバッグを修理。
「大切な小物を、次世代へつなぐ」メンテナンス術
皆様のタンスの中には、大切にしまってある「形見分けのお品」や「思い出の詰まったおきものや帯」はございませんか?
先日当店で以前、お母様の形見の絞り羽織を解いて和装バッグをお誂えさせていただいたお客様から修理のご相談を承りました。
「気に入って使いすぎて、ついに持ち手がほつれてしまって……。なんとか直せませんか?」とのこと。


お持ちいただいたのは、絞りの柔らかな質感が美しい、趣のあるバッグです。
拝見すると、確かに持ち手部分は長年のご愛用で生地が擦れ、傷みが見られる状態でした。しかし、それは「いかにそのバッグがお客様の生活に寄り添い、愛されてきたか」という証でもあります。
その絞りのバッグを拝見しながら、お客様のそのお品への愛情を深く感じました。大切にされてきたものを、これからも変わらず使っていただきたく修理のご提案をさせていただきました。
今回のご相談で大切にしたのは、単に「直す」ことだけではありません。「これから先も長く、安心して愛用していただけるようにすること」です。
絞りのバッグの良さは、その軽やかさと手に馴染む柔らかさにあります。しかし、生地は繊細です。絞り生地の残り布があれば同じ布で持ち手を再度お作りすることも可能ですが、また同じように毎日使えば、いずれ同じ場所が傷んでしまいます。
そこで私たちがご提案したのは、「本革(レザー)」への持ち手変更でした。
「絞りの伝統的な風合いと、レザーの機能美」
一見、異素材の組み合わせに思えるかもしれませんが、実は非常に相性が良いのです。しなやかな絞りの質感を引き締め、全体的にモダンで高級感のある表情へと生まれ変わらせてくれます。何より、本革は耐久性が高く、使い込むほどに手に馴染むため、安心してお使いいただけるようになります。
先日、修理が完了したバッグをお客様のもとへお届けいたしました。
お客様はバッグを手に取り、「これでまた、安心してお出かけできますね。持ち手が新しくなったことで、バッグ全体の印象も引き締まって、とても素敵になりました」と大変喜んでくださいました。


絞りの繊細さと、本革の強さ。
新しい命を吹き込まれたそのバッグは、これからもお客様の日常を彩り、時には大切なお席でその方の装いを引き立てる名脇役として、長く愛され続けることでしょう。
「使い続ける」ことが、一番の供養になる
着物や和装小物において、形見分けのお品をタンスに眠らせてしまうことは、一番もったいないことだと私たちは考えています。
形見のお品は、実際に使うことで初めて輝き、お譲りくださった方の想いもまた、今の生活へとつながっていきます。
もし、壊れてしまったから、古くなってしまったからと諦めているお品がございましたら、「特選きもの名匠庵」にご相談ください。
バッグの持ち手交換だけでなく、帯のバッグへのリメイク、お着物の寸法直しや洗い張りなど、職人の技術と私たちの知識で、お品の状態とお客様のご希望に合わせた最適な解決策をご提案いたします。
「この先もずっと使っていきたい」
そんなお客様の想いを、これからも大切にサポートさせていただきます。
ご来店日時のご予約はお問い合わせフォームよりメールにて承ります。















