掃いても掃いても。
この時期、名匠庵の玄関先にはどこからともなく枯葉が風に吹かれて舞い込んできます。
ほんとに掃いても掃いてもきりがないのですが、風が上手に隅の方に枯葉を運んでくれるので少しは助かっています。
秋から冬のこの時期、木の葉が風に吹かれてひと所に集まる様子を「吹き寄せ」といい、そんな様子を描いたきものが「吹き寄せ柄」のきものです。
吹き寄せ柄 訪問着 (袖部分)
吹き寄せ柄といえば大抵あっさりした柄ゆきで、
「華やかに」というよりは真冬になる前のお出掛けにさらりと着るのに良い柄です。
帯は、雲の柄とか竹垣の柄とかが良いかな、、、と
12月の真ん中、少しだけ慌ただしさが薄らいだ1日、箒片手に
取り合わせを想像してひとりでワクワクしています。
新企画 進行中!
かねてより社長が温めていた新しい企画を発表するべく
着々と準備中です。
今日はいつも撮影をお願いしている オルタナクリエイツの佐治さんが
商品撮影をしてくれています。
決算の集計、年内納めのきもののお仕立などなど考えること満載ですが、
このホームページ上で発表予定です。
早めに発表出来るよう頑張ります。
名残の紅葉
先月11月は、28日まで豊橋市「ほの国百貨店」で催事、
1日おいて30日が名匠庵の本決算でした。
2人1組で在庫の全商品を付け立てしていく作業は人数が少ない分かなり時間がかかりますが、一点づつ柄を見ながらしているとお客様におすすめするときにパッとその柄を思い出せるのでとても大事な作業です。
というわけで
かなりバタバタとした日々の中、忙しくなる前の11月の中旬ごろ、皆さまにご覧いただこうと撮影しておいた今年の紅葉の写真をせっかくなのでご紹介させていただきますね。
名匠庵から車で約5分「平和公園」 H28年11月12日撮影
名匠庵から車で約7分「東山動植物園」H28年11月20日撮影
今年の名古屋の紅葉は例年以上に本当に綺麗でした。
気象条件が良かったんですね。
イチョウの落葉を活用した防虫剤の作り方を”きもののうんちく“でご紹介しています。
イチョウの葉っぱまだ間に合いそうです。
ぜひご覧ください。
第5回染織名匠展 ほの国百貨店
11月23(水)から28日(月)まで、豊橋市にあるほの国百貨店8階催事場で
第5回「染織名匠展」を開催中です。
40回以上続いた「きものフェスティバル」から名称変更して 早くも5年になります。
豊橋近郊のお客様に東西の染織工芸作品をご覧いただく年に一度の催しです。
写っていませんが、紬のきものや帯締めなどの和装小物、ショールも充実しています。
刺繍がほどこされた優しい色あいの帯揚げも各色揃っています。
ご来場お待ちしております!
タイムスリップ
今年度最後の名匠展(11月5日6日)も無事終わり(今年は12月の名匠展を開催致しません)、
決算の準備とデパートの催事の下準備で日々過ごしています。
その間、本場結城紬を二反お求めくださったお客様があり、そういえばと社長がなにやら奥から小さな桐箱を取り出してきました。
随分昔から保管しているものですが、、、
本場結城紬で作った長財布です。
箱には本場結城紬の産地卸、井上商事株式会社謹製と書いてあります。
なんと贅沢な財布でしょう!
でも今回驚いたのは財布ではなく、その中から出てきた新聞紙の方。
写真では日付がわかりにくいかもしれませんが
毎日新聞 夕刊 昭和33年(1958年)12月22日(月) とあります。
お正月映画の宣伝がこんなに大きく掲載されています。
おせちを食べて、晴着を着て初詣に出かけ、お正月映画を楽しむ、、、。
ついこの間までそんな過ごし方をしていませんでしたっけ、、、???
デパートの呉服売場も年末になると、足袋などの和装品を買いにいらっしゃるお客様で
賑やかだったんですよね。
お正月と普段の日とだんだん境目が薄らいでいるような、そんな気がしてしまいます。
もしかして、懐かしい!と喜んで下さる方がいらっしゃるかもと思い写真を載せました。
ちなみに裏側はこんな感じでした。
そうだ 京都、行こう。
文化の日。
天気が良くて
祝日で
ご来社のご予約も今日はなく。
そうだ 京都、行こう。
と、急に思い立ち5日からの名匠展の飾り付けを明日に引き伸ばし
昼前に車で京都に向かいました。
京都には毎月、仕入れなどの為に来ていますし、
つい一週間前に「嶋臺ギャラリー名匠展」で訪れたばかりですが
仕事抜きでもやはり何度でも来たい街です。
そして向かった先は
京都市美術館で現在開催中の
生誕300年「若冲の京都 KYOTOの若冲」展
さすがに大混雑でしたがじっくり鑑賞できました。
伊藤若冲の絵画をモチーフにしたきものを以前「オススメのきもの」で
ご紹介したことがありましたが、江戸時代に生まれた若冲の作品は
今なお多くの作家に影響を与え続けているのですね。
この日も作品の前に立ち止まり食い入るようにじっと見つめて佇む方が
多くいらっしゃいました。
若冲の実家は大変裕福で、画材も思うまま手に入ったかもしれませんが
自由な発想力は、当時幕府のあった江戸から離れた京都の街で生まれ育った、彼自身の中から
生み出されたものなのでしょう。
そのあと立ち寄ったANAクラウンプラザホテル京都のロビー正面には
「染司 よしおか」5代目当主 染織史家の吉岡幸雄氏製作による装飾が
展示されていました。
光源氏が女君たちに衣装を用意する「衣配り」という源氏物語の一場面が表現されています。
様々な織生地にほどこされた柔らかな染め色に見惚れてしまいました。
いく先々で良いものに出会え、やっぱり京都っていいなぁとつくづく思います。
「若冲の京都 KYOTOの若冲」 京都市美術館 10月4日(火) 〜12月4日(日)
染司よしおか「衣配り」 ANAクラウンプラザホテル京都正面ロビー 11月30日までの展示
ただいま庭のお手入れ中
今週末11月5日(土) 、6日(日)の「霜月 名匠展」を前に、社長が庭掃除をしています。
来場してくださったお客さまがきもの選びの合間に
ホッと一息ついていただけるようにお庭の手入れは欠かせません。
社長によると今年は雨が多かったせいか
水苔がびっしりと杉苔の根元にまで広がっていて、
杉苔が弱ってしまったそうです。
どちらも緑がきれいなので上手く共存してくれると良いのですが
なかなか難しいですね。
さて、秋の庭仕事はすぐに日が暮れてしまいます。
最近お気に入りの 本山「ブラックバードコーヒー」マスターお勧めの
コスタリカオルティス シティーローストのコーヒーで冷えた体を温めて
お庭の仕上げです。
明日からは館内の飾り付け。
クリスマスや初釜など年末年始のお出掛けのきものをはじめ
振袖や趣味のきものもご覧いただけます。
和装小物も寒さ対策をテーマにご用意します。
暖か肌着や綿雪足袋など技ありの防寒グッズをご紹介します!
霜月 名匠展について詳しくは 催事のお知らせをぜひご覧くださいね。
京都 嶋臺(しまだい)ギャラリーにて
先週10月27日(木)、愛知県内のデパートのお客様をお招きして
京都市中京区の嶋臺ギャラリーで名匠展(日帰りツアー)を開催いたしました。
「嶋臺」は創業400年。
慶長13年の創業時は糸割符商として、また江戸中期からは銘酒「嶋臺」を扱う酒問屋も兼業していたそうです。
伝統的町家建築の頂点であると評された現存の建物は明治16年に建てられ、国の登録文化財となっています。
そして現在はギャラリーとして様々な発表の場として活用されています。
京都の真ん中での展示会でしたので、会場設営のお手伝いなどに取引先のみなさまが駆け付けてくださり、本当に助かりました。
さて、お招きしたお客様は「嶋臺名匠展」のあと、八坂圓堂さんでご昼食、尼門跡寺院であり信州善光寺別院の「得浄明院」を拝観し、戒壇廻りを体験後、帰途につかれました。
ご参加くださいましたお客様、本当にありがとうございました。
※信州善光寺別院 得浄明院は知恩院門前の華頂学園の校舎を抜ける細い道の突き当たりにあります。
創建された誓円尼公は伏見宮邦家親王の第三王女としてお生まれになり、六歳で得度され信州善光寺大本願第百十七世となられました。
慈悲深い尼公は関西の人々が信州善光寺にお参りするのは大変であろうと、京都に善光寺と同じ堂宇を創建されました。
規模は小さいながらもまったく同形の建物で、本山の善光寺如来の御分身を本尊とし、善光寺でも有名な「真闇の戒壇廻り」もできます。
明日から名匠展です。「染の百趣 矢野」特集
明日10月15日(土)・16(日)の2日間
名匠庵本社で『神無月名匠展』を開催いたします。
今日は社長が庭の手入れと会場の飾り付けにと大忙しです。
今月は京都のメーカー「染の百趣 矢野」を特集いたします。
写真は「矢野」の振袖の一部分。クラシックに真紅の袋帯を合わせました。
「矢野」好みの色留袖や訪問着、付け下げ、振袖など
江戸友禅独特の糸目、色使いをぜひお手に取ってご覧ください。
ご試着、コーディネート相談もお受けしております。
ご来社のご予約は不要ですので
直接名匠庵までお越しください。
詳しくは 催事のお知らせページをご覧くださいね。
幸せのおすそわけ
先日、名古屋市内で納品があり、
お祖母様、お母様お見立てのお嫁入り支度のお着物をお嬢様の嫁ぎ先の新居のタンスにお納めいたしました。
納品に立ち合った営業部長がお母様より懐紙を頂戴して帰って来ました。
檀紙(だんし)に包まれ、金銀のあわじ結びの水引がかけられた心のこもった御礼の品です。
檀紙は、楮(こうぞ)から作られる高級な和紙です。
古くは真弓(檀とも書きます)の木の繊維から作られたので檀紙と呼ばれるそうです。
縮緬のようなしわが特徴で、檀紙を使う時にはこのしわが必ず横になるように用います。
お嫁入りの様々なお支度、心配りに親御さまのお気持ちが伝わってきます。