永六輔さん
永六輔さんの訃報をテレビで知りました
計量法によって職人さんが曲尺、鯨尺をつかえなくなった時
ひるまずに尺貫法の復権を訴え続けたそうです
著書のひとつ
岩波新書 「職人」
奥付を見ると初版は1996年10月、ちょうど20年前です
職人さんとの対談、聞き書き、職人語録、講演録などで構成されていて各種多彩なモノづくりの職人さんが登場します
呉服にまつわる興味深いお話も出てきますので一部引用させていただきます
型紙で思い出しましたが、琉球紅型の型紙を支えているのは、豆腐造りの職人です。
沖縄の豆腐は、しっかりした木綿豆腐。縄でくくって持って帰れるようなものですが、これを長いあいだ風に晒して、固くする。コチンコチンになって、この豆腐の角なら、頭をぶつけると血が出ます(笑)。
この豆腐の上で、あの紅型の型紙が彫られる。そうすると刃先が傷みません。
美しい紅型を支える職人衆のなかに、豆腐の職人がいるのが嬉しいですね。
もうひとつ
「はなやぐ。 くつろぐ。 やすらぐ。 これだすなァ、お着物のよろしいところは」
− 永六輔さんの御冥福をお祈りいたします −
沖縄の三線。文月名匠展を開催しました。
週末の7月9日(土)と10日(日)、文月名匠展を開催しました。
ご来場くださった皆さま本当にありがとうございました。
「南の島のきもの展示販売会」と題し、大島紬、紅型や琉球絣、花織や芭蕉布、宮古上布などを展示しました。
会場には沖縄の三線。
ひとつわかったことは、、、、皆さん、結構楽器好きなんですね。
三線は初めて触ると言いつつ勘どころをすぐに理解して演奏してくれたり。
聞けば、実はギターやってる方とか絃楽器なんでもござれという方も。
三線1棹を囲んで、沖縄や音楽の話が弾みました。
そして時折皆さんが戯れに爪弾く三線の音色が会場の程よいBGMとなったのでした。
来月8月6日(土)・7(日)も名匠庵で展示販売会開催いたします。
テーマは「葉月名匠展 ・フォーマルきもの展」。
黒留袖、色留袖、振袖、七五三のきものを特集します。
ご予約なくてもご来場いただけます。
趣味のきもののコーナーに三線置いておきますね。
宮古上布
名古屋はこのところ、はっきりしない梅雨空続き。
こんな日は昨年訪れた宮古島の海を恋しく思い出します。
宮古ブルーと言う言葉があります。
宮古島の海の色だったり、空の色のことだったり。
離島の海の色を皆さん憧れと親しみを込めてこう呼びます。
波照間島ニシ浜の海なら波照間ブルー、慶良間の海は慶良間ブルー。
仕事や日常に追われながらふとこの海の色を思い出し、島に行きたいなぁと思うのを、沖縄病とか八重山病っていうんですって。
さて、宮古ブルーにはもう1つ、飛びきりのブルーがあります。
photo: 琉球藍の宮古上布(個人蔵)
この織物の原料である苧麻という植物。
それを刈り取り、糸にする作業。
図案の絣(かすり)模様の通りに織り上がるように糸に下準備を施す作業。
琉球藍を苛性ソーダ、泡盛、黒糖や水飴などで発酵させて糸を染める作業。
そして織り手。
仕上げの砧打ち。
そのどの工程も従事する方が今とても少ないのだそう。
昨年、宮古織物事業協同組合にお邪魔した時、織り上がった宮古上布の検品中でした。
藍染め作業中の組合の方ともお話させていただきました。
昔は1日に15センチくらい織れていたものが現在は4センチほど。
経(たて)糸、緯(よこ)糸ともに手積みの苧麻、琉球藍の宮古上布は1年でわずか数反しか織り上がってこない状況だそう。
組合では平成12年に新たに規格を設け、上記の十字絣紺上布だけでなく草木染めや太い苧麻糸を使った帯地なども「宮古上布」として組合で検査し検査証の添付を行っているそうです。
新里玲子作 宮古上布 名古屋帯 (手積み苧麻糸・藍染)
名匠庵手持ちの宮古上布は今のところ、、、帯が2点のみです。
追記:
2019年(平成31年)4月現在、宮古上布の在庫点数が充実してきました。
ご興味のある方はぜひ名匠庵までお越しくださいませ。
今週末7月9日(土)、10日(日)の二日間、
名匠庵では「南の島のきもの展示販売会」と題して名匠展を開催します。→ご案内
芭蕉布や紅型、大島紬なども点数は少ないながら厳選しました。
ぜひお出かけください。
民謡発表会
先週末7月3日に開催された民謡発表会に行ってきました。
豊川市御津町のハートフルホールで年一度、毎年この時期に行われています。
民謡はもちろん、舞踊、和太鼓、津軽三味線の合奏もあり、見応えのある舞台です。
この民謡会の会主熊谷文若さんと旧知の仲というご縁で、20年近くにわたりこの発表会の司会進行役を務めています。
役得で、舞台袖から間近に皆さんの熱演が見られます。
きものを扱う仕事柄、民謡に出会えて良かったと思います。
全国各地の織物について語るとき、やはり土地ごとに伝わる民謡から機織の苦労や喜び、郷土色を知ることができます。
かつて養蚕が盛んだった埼玉の「吾野機織唄」、織物の一大産地である新潟の「十日町小唄」、大島紬の産地、奄美の「はたおり娘」などなど…。
箪笥の中で眠っている紬のきものにも故郷があるんだと、そんなことを考える1日でした。
葵かを里さん メルパルク名古屋ディナーショー
6月26日の日曜日にメルパルク名古屋で演歌歌手の葵かを里さんのディナーショーが
開催され、昼夜2回公演の夜の部を拝見してきました。
今年1月発売の「五山の送り火」はオリコン演歌チャート初登場第1位と絶好調なだけあってディナーショーは笑いあり涙ありそして一曲一曲に表現される、葵かを里さんの歌の世界に惹きつけられる素晴らしいショーでした。
そして葵かを里さんといえば日舞 芙蓉流の名取でもあり、歌はもちろん舞にもますます磨きがかかってきています。
ここ数年、ご縁がありCDジャケットのきものを名匠庵でお選び下さっています。
ご自分のきものの着こなしにはしっかりとした信念をお持ちのかを里さん。
マネージャーさん、後援の方々とも意見を交え、和気あいあいながらも真剣にきものを纏います。
かを里さんが選んだきものは京友禅作家 山科春宣先生の手による牡丹尽くしの訪問着。
気品ある姿から花王とも言われる牡丹。
やさしい笑顔で静かながらひとことづつかみしめるように言葉を語る葵かを里さんのイメージにぴったりです。
この日、庭の牡丹も満開でした。
飛騨高山「本陣平野屋 花兆庵」さんで名匠展を開催いたしました。
6月12日(日)に飛騨高山屈指の名旅館「本陣平野屋 花兆庵」さんにて名匠展を開催いたしました。
前日の11日から高山入りし、花兆庵2階の宴会場「神楽」に名匠庵のきものを一堂に展示しお客さまをお迎えします。
今回はデパートの外商顧客さまなどをお招きしての特選呉服展示会。
茶の湯の心を踏まえた宗和流本膳で名高い 高山の料亭「洲さき」、飛騨牛ステーキの「キッチン飛騨」で昼食をご堪能いただき花兆庵で展示会とご宿泊をお楽しみいただくツアーです。
花兆庵では女将さんはじめスタッフの皆さんの穏やかな高山弁での会話、美味しいお料理、まろやかで清潔な温泉にお客さまも喜んでくださいました。
館内のちょっとした空間のしつらえもステキです。
そして高山の街並み散策は、高山の名物ガイド小垣内雅規さんの案内付きで盛り上がりました。
帰りには飛騨高山で天然木の家具を製作する柏木工さんの製作現場を見学して、高山尽くしのツアー日程を終えました。
今回の展示会には高山や下呂近郊の呉服店さまもお客さまをご案内下さりにぎやかな名匠展となりました。
ご来場くださいました皆さまにこの場をお借りして御礼申し上げます。
本当にありがとうございます。
さて、話は名古屋に戻りまして、
今週末 6月18日(土)・19日(日)は名匠庵本社で「水無月 名匠展」を開催いたします。
こちらはご予約なしでも大歓迎です。
夏のおでかけきもの、涼やか肌着などなどご用意してお待ちしております。
名匠庵周辺案内 「徳川美術館」
平成28年度 NHK大河ドラマ 真田丸。
見てます。毎週。じわじわハマってます。
内野聖陽さん演じる戦国時代の覇者 徳川家康公もこれから出番が多くなってきそうです。
その徳川家の宝物を収蔵しているのが名古屋市内にある「徳川美術館」。
隣接する 尾張徳川家の蔵書を収蔵する「蓬左文庫」、日本庭園の「徳川園」とともに1日ゆっくりと過ごせる名所になっています。
ミュージアムショップもセンスがよく、面白い品揃えでついつい自分用に購入してしまいます。
週末、時間を見つけて徳川美術館に行ってきましたら次回の企画展が面白そうでチラシをいただいてきました。
ジャパン・デザイン ー日本の美をもとめてー
6月1日(水)〜7月10日(日)まで徳川美術館で開催されます。
調度品や衣服にほどこされた「文様」から日本の美意識をたどる企画展だそうです。
きもの好きにはたまらない企画!
ぜひ行きたいと思っています。
名匠庵の生き字引
5月1日の「名匠庵の日々」でご紹介したマジョリカお召しの図案。
実物は残っていないと思っていましたが、、、、
ありました。ブリキの衣装缶 (懐かしいですね) の中に!
ランプ尽くしの柄。モダンです!
皐月名匠展の最中ですが、これがマジョリカお召しかと眺めていたら、ものすごくタイミング良く懐かしい人が訪ねて来てくれました。
12年前に名匠庵を定年退職された宮田行久さん。
先代社長と共に中栄を退職して、名匠庵の創業から長年にわたり支えてくださった、まさに名匠庵の生き字引的存在の大先輩です。
懐かしのマジョリカお召しを手に取り、昔話で盛り上がりました。
他にも「マジョリカウール」という商品もあったそうで今では考えられないくらいウールのきものが売れた時代のお話を聞かせていただき、うれしいひと時を過ごしました。
明日も名匠展開催します。
夏のきものを見にぜひお立ち寄り下さい。
2016年5月14日(土)〜5月15日(日)
10時〜17時
名匠庵本社ショールーム
明日から2日間 名匠庵本社にて「皐月 名匠庵」 開催します。
5月14日(土)・15日(日) の2日間 名匠庵本社で「皐月 名匠展」を開催いたします。
夏のきものや、これからの季節、きもの姿でも涼しく過ごせる工夫を凝らした和装小物が揃います。
夏の帯締めと帯揚げもございます。
庭のツツジが、ちょっとだけお花をつけて皆さまをお迎えします。
名匠展はご予約不要ですので、お気軽にご来社下さい。
夏のきもの以外にも、きもの全般ご覧いただけます!
詳しくは 催事のお知らせのページをご覧下さい。
マジョリカお召し
気候の良いこの時期に、年末よりも念入りな大掃除をするようになって4年、資料棚の引き出しの奥の奥から、先代社長が柄出しをした「マジョリカお召し」の図案写真がたくさん出てきました。
カラー写真ではないのが残念ですが、地中海のマジョリカ島のカラフルな陶器をイメージしたマジョリカお召しは 織物産地である新潟県十日町を中心として、昭和34年から約4年間にわたって生産され、爆発的に大ヒット!
写真の図案のように洋風で大胆な柄が銀糸で表現されて、それはそれはキラキラでおしゃれなきものだったそうです。
先代が名匠庵を創業する前に勤めていた株式会社中栄時代の仕事で、当時中栄では「エレガント御召」と名付けて販売したそうです。
旅先の螺旋階段や石畳が図案のヒントになったとか。
十日町に出張した時の当時のスナップ写真が残っています。
世界有数の豪雪地と言われる十日町ならではの雪のトンネルですね。
ところで肝心のマジョリカお召し、残念ながら実物は手元にありません。
でも、もしも着るなら帯は?小物は?
アレコレ想像して楽しんでます。